日本デザイン振興会（東京・港）が主催する2023年度の「グッドデザイン賞」で、徳島県から神山まるごと高専と木造4階建て県営住宅の2つが上位20件の金賞に選ばれた。神山高専は一般的な製品でなく「学校をつくるプロジェクト」そのものが優れたデザインとして評価された。最終の5候補から選ぶグッドデザイン大賞でも全国2位に食い込んだ。「Gマーク」で知られるグッドデザイン賞は1957年に始まった。工業製品や
建築物に限らず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインと捉え、その質を評価する。かたちのあるなしを問わない。今回は全国から応募のあった5447件のうち、トップ20の金賞に徳島県から2件が選ばれた。
神山高専は徳島県神山町で4月に開校した私立高等専門学校。5年間の全寮制で、IT（情報技術）分野を中心に起業家の育成を目指す。同校は「テクノロジー、デザイン、起業家精神を同時に学べる独自カリキュラムの設計」や「100億円規模の基金を通じた学費無償化のスキーム構築」、人口5000人弱の過疎の町を丸ごと巻き込んだ学校づくりなどをアピールした。全国初の木造4階建て県営住宅（徳島市） 建築基準法の改正を受けて、県が徳島市の郊外に2月に建設した「木造4階建て県営住宅」（awaもくよんプロジェクト）も金賞を受けた。木の柱やハリなどの構造物があえて見える状態で仕上げた中高層木造建築の県営住宅は全国初。県産材を含む国産木材をふんだんに使い、耐火性能も高めた。県が進めるSDGs（持続可能な開発目標）事業の象徴の一つにもなっている。10月25日の最終選考会では、
の「プリウス」、神山高専など5件の候補の中から、千葉県の高齢者デイサービスセンター「52間の縁側」が大賞に決まった。神山高専はあと一歩で「日本一」を逃したが、同校の松坂孝紀事務局長は「素晴らしい賞をいただいたことに感謝する。願わくば、この事例が全国にも広がれば」とのコメントを出した。
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