オリックスの頓宮裕真捕手がパ・リーグ唯一の打率3割台で首位打者争いを快走している。3割4分9厘は2位の柳田（ソフトバンク）と5分4厘差。「どうせ落ちていくので気にしていない」と本人は謙遜するが、上位の混戦に加わるチームを間違いなく支えている。 Bs2023 頓宮裕真
オリックスの頓宮裕真捕手がパ・リーグ唯一の打率３割台で首位打者争いを快走している。３割４分９厘は２位の柳田（ソフトバンク）と５分４厘差。「どうせ落ちていくので気にしていない」と本人は謙遜するが、上位の混戦に加わるチームを間違いなく支えている。
８１試合に出場した昨季は自己最多の１１本塁打。今季も春季キャンプから好調を保っていたが、開幕前に右太もも裏の故障で離脱した。それでも「やれることをやろう」と、負傷した翌日にはバットを握った。１軍昇格後、既に７度の猛打賞。悔しさをぶつけるかのように打ちまくっている。 ２０１０年に打点王に輝いた小谷野打撃コーチは「高い集中力で打席をこなしている。（調子が）落ちてきても修正が早くなっているのが今年のいいところ」と評価。継続するためには修正力と自己分析力が必要と指摘し、「波は誰にでもある。その中で早く修正できれば、今までにないぐらいのものが出るかもしれない」と期待を寄せる。 今季のオリックスは米大リーグに移籍した吉田正の穴をどう埋めるかが課題の一つだった。ここまでは頓宮らの活躍で不在を感じさせない戦いをしている。頓宮は今も吉田正から打撃に関する助言をもらうことがあるという。ここ数試合は「アドバイスしてもらったことを思い出せるように」と、１打席目の登場曲を昨季まで吉田正が使っていた曲に変更し、試合に臨んでいる。
どれだけ結果を残しても試合前の練習など準備を大切にする姿勢は変わらず、「一打席一打席を大事にやっていきたい」と慢心もない。夏を乗り越え、さらなる飛躍を遂げた先に自身、そしてチームにとって歓喜の秋が待っているはずだ。（成績は１２日現在）