【新着】エルメスの新しい革工房が、馬を育む伝統の地・ノルマンディに誕生した
エルメスの歴史が馬具製作から始まったことは、広く知られている。だが、馬具のアトリエが、これまでパリのフォーブル・サントノレ24番地から外に出たことがなかったと知る人は少ないだろう。
今年、エルメスはパリ外で初となる馬具工房を開いた。場所は、有史以前から馬の飼育が行われ、フランスで並ぶもののない馬の産地、ノルマンディ。かつて王侯貴族のために馬を育て、現在も競走馬や馬術競技で活躍する馬を育てるこの地が、エルメスの第二の馬具製作の場となった。 パリから北西へ車で1時間半ほど。石造りの古い建物が並ぶルーヴィエの町を抜けてしばらくすると、濃いレンガ色の建物が見えてくる。エルメスの21番目の革工房となるマロキヌリ・ルーヴィエの建築を手がけたのは、レバノン系フランス人建築家のリナ・ゴットメ。コンペに参加した4つのプロジェクトの中から満場一致で選ばれた彼女のプランは正方形、すなわちカレ。職人の働く工房を訪ね、エルメスの価値観と職人の働らく環境を考え抜いて設計したものだ。地元の工場で、手作業で焼き上げられた55万個のレンガによる建築は、自然のランドスケープに溶けこむ姿。そのファサードは馬が駆ける姿にインスパイアされた大小のアーチに支えられている。最初のアーチをくぐるとレンガ壁に囲まれた四角い庭があり、館内に足を踏み入れれば、...
フランス木材の構造、木製ファイバーの防音壁、オフホワイトの色づかいが光も音も和らげる。フランス政府が定めたエネルギー・ポジティブ&カーボン削減レーベルで、工業施設としては初めて最高値を獲得したサステイナブルな建築。©Iwan...
「そのことは、紀元前1300年から、人々がここで針を使い、革を縫っていたことを物語っています。エルメスはいわば石器時代からの末裔。知恵と手を使い、捨てられていた革を世界で最も美しく、長く残る品物へと変化させる職人です」エントランスホールである村の広場には、エマニュエル・ソールニエによるアートワークが飾られている。巨大な7本の金属針を、天井から吊るされた革製ストラップが支えている作品だ。ストラップは、大きな金属針それぞれに合わせて、馬具職人がカットし、現場で脚立に登って縫い上げたもの。太古の昔にここでつくられ、革を縫い合わせていた針に思いを馳せ、現代の馬具職人が最後の仕上げをしたアート作品は、新工房の“村の広場”にふさわしい。
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