【パリ=板東和正】発熱や頭痛などを引き起こすウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」の感染がアフリカや欧州、アジアなどで広がっている。今年に入って致死率や感染…
【パリ=板東和正】発熱や頭痛などを引き起こすウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」の感染がアフリカや欧州、アジアなどで広がっている。今年に入って致死率や感染速度が高まり、世界保健機関(WHO)や各国が警戒を強化。監視体制の構築やワクチンの備蓄を進めている。エムポックスはアフリカのコンゴ(旧ザイール)を中心に拡大。アフリカ連合(AU)の疾病対策センター(CDC)の16日の報告書によると、AUの12カ国での感染者数は今年に入り、疑い例を含めて約1万8000人と既に昨年(1万5000人弱)を超えた。死者数は541人と昨年(738人)より少ないが、感染速度が高く今年末までに昨年を上回る恐れもある。CDCは「大陸レベルで対応すべき最優先課題」と危機感を示した。
感染はアフリカが大半だが、他国でも流行している。スウェーデン保健当局は15日、エムポックスウイルスでより重症化しやすいタイプ「クレード1」の感染者が国内で見つかったと発表。アフリカ外でのクレード1の感染確認は初めてで、欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センター(ECDC)は16日、エムポックスの警戒レベルを引き上げると表明した。WHOのテドロス事務局長は14日、エムポックスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言。WHOとして最高度の警告を発し、感染拡大防止に向けた対策強化を各国に促した。エムポックスを巡っては、WHOが2022年7月にもアフリカなどでの感染拡大を受けて緊急事態を宣言。23年に入り感染が欧州やアジアなどにも広がったが、新規感染者数が徐々に減少し、WHOは同年5月に緊急事態を終了させた。
今年のエムポックスは22~23年に比べてクレード1の感染が増加したほか、感染経路も多様化。欧州メディアによると、以前は男性同士の性的接触を通じた感染が中心とされたが、現在は汚染された物を触った手を介してウイルスが体内に入る接触感染などで流行が加速した可能性がある。家庭内感染が多く、女性や子供の感染者が目立つ。
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