過去1年で時価総額が約2兆ドル(約290兆円)膨らんでいたエヌビディアの四半期決算は完璧でなくてはならなかった。28日の株式市場引け後に発表した同社の業績は総じて予想を上回ったものの、株価は時間外取引で急落した。
問題は売上高見通しだ。アナリスト予想平均を上回ったものの、予想との開きは過去5四半期決算と比べてはるかに小幅だった。さらに次世代人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」が製造上の問題を抱えていることを明らかにし、29日に入っても売りが続いた。 AI投資の恩恵を最大に享受し、今年のS&P500種株価指数の上昇をけん引してきたエヌビディアだが、強い期待に応えられず、広範な市場やその他機器メーカーの足を引っ張る恐れがあると懸念されている。今のところ、そうした懸念はまだ現実のものとなっていない。
エヌビディア決算に対する市場の反応は、少なくともブラックウェルの投入についてさらに判明するまでは、エヌビディアの評価が当面頭打ちになる可能性を示唆している。同社のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、ブラックウェルに関する懸念を巡り、製造が勢いを増した後は供給が潤沢になるとの見通しを示したが、懸念緩和にはほとんどつながらなかった。 ジョセフ・ムーア氏率いるモルガン・スタンレーのアナリストは、「最上級であっても、それが当たり前になれば期待のハードルはより高くなる」と述べ、「現在の環境が一時的であることを踏まえれば、今回も非常に力強い四半期決算だった」と指摘した。
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