画像クレジット:WVU Rockefeller Neuroscience Institute
研究チームは、患者にアデュカヌマブを静脈注射した後、脳の特定部位に集束超音波を照射した。照射したのは脳の片側のみであり、脳の残り半分を対照試験に使った。PET検査の結果、超音波を照射した部位のアミロイドβの沈着物(プラーク)は、照射していない側の同じ部位よりも大幅に減少していた。このことから、照射された側の脳により多くの抗体が届いたと考えられる。
超音波を使わずとも、アデュカヌマブはプラークを除去するが、長い時間がかかる。おそらくアデュカヌマブが脳内に入り込みにくいということがその一因だ。「18〜24カ月の間アデュカヌマブを静脈注射してプラークの減少を確認するのではなく、数カ月でプラークの減少できないか確かめたいと考えています」と、ウェストバージニア大学ロックフェラー神経科学研究所の所長を務める脳神経外科医で、今回の研究論文の著者であるアリ・リザイは語っている。このプラーク除去に必要な時間を短縮できれば、アルツハイマー病の特徴である記憶障害や認知障害の進行を遅らせるのに役立つかもしれない。だ。磁気共鳴画像(MRI)装置と、超音波発生装置がいくつも並べられたヘルメットで構成されている。現在のところこの装置は、脳の標的部位を壊死させることで、パーキンソン病患者のふるえを止めるのに役立てるという用途で米国食品医薬品局の認可を取得している。
この装置を使って血液脳関門を開くために、「マイクロバブルを静脈投与します」とリザイ所長は説明する。この微小な気泡は、一般に造影剤としてよく使われるものであり、血流内を移動する。MRIを利用することで、研究チームは脳の特定部位に「ミリ単位の精度で」超音波を当てることができるとリザイ所長は説明する。超音波がマイクロバブルに当たると膨張と収縮を繰り返し、脳の毛細血管内部にびっしりと詰まった細胞のすき間を物理的に押し広げる。「この一時的な開口は最大で48時間続きます。つまり、その間は治療薬が脳へ浸透しやすくなるのです」とリザイ所長は説明している。
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