不登校から10年間ひきこもっていた長野県の26歳の男性。支援の居場所に通い始め、自分の中で変化が生まれた。“自分が否定されない”環境のなかで、ほかの参加者に勇気を出して声をかけた。「自分から話しかけたんです。そうしたら聞いてくれて、楽しいなと思いました」
“ひきこもりの人は実際、どのくらいいるのか”。国の調査では、15歳から39歳までの人が54万人あまり、40歳から64歳までの人が61万人あまりいるとされていますが、この数、少数のサンプルを抽出した、あくまで推計です。ひとりひとりの支援につなげるためには、もっと具体的な実態を知る必要があるとして、いま、長野県をはじめ、各地で調査が進んでいます。ことし行われた長野県の調査からは、どんなことがわかってきたのか、そして求められる支援とは何か、取材しました。(長野局記者 大場美歩)長野県の調査は、ことし2月から4月にかけて、県内の民生委員全員にアンケート用紙を送り、それぞれの担当地域に、ひきこもりの人が何人いるのか答えてもらいました。全体の89%、4505人から回答がありました。 その結果、「おおむね15歳から65歳未満で、社会参加を避けて原則半年以上にわたって家にとどまることが続いている」いわゆる“ひきこもり状態”の人は、長野県内に少なくとも2290人いることがわかりました。このうち7割以上が男性でした。(男性1670人、女性499人、不明121人)。ひきこもりの期間でも▽「10年以上」が約40%で最も多く、続いて▽「5年以上10年未満」が約23%でした。県は「高齢化」と「長期化」している実態が浮き彫りになったとしています。調査結果踏まえ支援の現場ではそのうえで、ひきこもりの人たちの支援を25年前から続けてきた経験を踏まえ、「ひとりひとりの事情に合わせた支援につなげていくことが必要だ」と指摘します。26歳の男性、Aさんは、この居場所に通うなかで、変化が生まれた1人です。Aさんは、中学生の時に不登校になり、そこから10年間自宅にひきこもっていました。3年前から有賀さんの居場所に通い始めたAさん。“自分が否定されない”環境のなかで、ほかの参加者に勇気を出して声をかけました。「自分から話しかけたんです。そうしたら聞いてくれて、楽しいなと思いました。あれが大きかったです」そして、「ひきこもりの人の多くが、人が怖いとか、人に会いたくないなどと話します。でもそれは社会や人への全面的な拒否ではなく、人とふれあうことへの期待や、今よりも一歩でも成長したいという思いが心の底にあるように思います。だからこそ、ひとりひとりのその気持ちにどう寄り添えるかが大事だと思います」と訴えます。ただ、“当事者ひとりひとりの姿が見えてきた”調査の結果を、どう生かしていくのか、ひきこもりの問題に詳しい、愛知教育大学の川北稔准教授は、「ひきこもり状態の方の存在を認識することが、支援の出発点になります。調査を踏まえ、長野県は今後、専門家などとも協議して支援策を検討していくことにしています。この取材を進める中で、NHK長野放送局の同僚たちと話をしていたところ、「実は家族がひきこもっている」といった話がいくつも出てきて、ひきこもりの人は、自分の“すぐ隣”にいるという存在なのだとあらためて感じさせられました。.
“ひきこもりの人は実際、どのくらいいるのか”。国の調査では、15歳から39歳までの人が54万人あまり、40歳から64歳までの人が61万人あまりいるとされていますが、この数、少数のサンプルを抽出した、あくまで推計です。ひとりひとりの支援につなげるためには、もっと具体的な実態を知る必要があるとして、いま、長野県をはじめ、各地で調査が進んでいます。ことし行われた長野県の調査からは、どんなことがわかってきたのか、そして求められる支援とは何か、取材しました。(長野局記者 大場美歩)長野県の調査は、ことし2月から4月にかけて、県内の民生委員全員にアンケート用紙を送り、それぞれの担当地域に、ひきこもりの人が何人いるのか答えてもらいました。全体の89%、4505人から回答がありました。 その結果、「おおむね15歳から65歳未満で、社会参加を避けて原則半年以上にわたって家にとどまることが続いている」いわゆる“ひきこもり状態”の人は、長野県内に少なくとも2290人いることがわかりました。このうち7割以上が男性でした。(男性1670人、女性499人、不明121人)。ひきこもりの期間でも▽「10年以上」が約40%で最も多く、続いて▽「5年以上10年未満」が約23%でした。県は「高齢化」と「長期化」している実態が浮き彫りになったとしています。調査結果踏まえ支援の現場ではそのうえで、ひきこもりの人たちの支援を25年前から続けてきた経験を踏まえ、「ひとりひとりの事情に合わせた支援につなげていくことが必要だ」と指摘します。26歳の男性、Aさんは、この居場所に通うなかで、変化が生まれた1人です。Aさんは、中学生の時に不登校になり、そこから10年間自宅にひきこもっていました。3年前から有賀さんの居場所に通い始めたAさん。“自分が否定されない”環境のなかで、ほかの参加者に勇気を出して声をかけました。「自分から話しかけたんです。そうしたら聞いてくれて、楽しいなと思いました。あれが大きかったです」そして、「ひきこもりの人の多くが、人が怖いとか、人に会いたくないなどと話します。でもそれは社会や人への全面的な拒否ではなく、人とふれあうことへの期待や、今よりも一歩でも成長したいという思いが心の底にあるように思います。だからこそ、ひとりひとりのその気持ちにどう寄り添えるかが大事だと思います」と訴えます。ただ、“当事者ひとりひとりの姿が見えてきた”調査の結果を、どう生かしていくのか、ひきこもりの問題に詳しい、愛知教育大学の川北稔准教授は、「ひきこもり状態の方の存在を認識することが、支援の出発点になります。調査を踏まえ、長野県は今後、専門家などとも協議して支援策を検討していくことにしています。この取材を進める中で、NHK長野放送局の同僚たちと話をしていたところ、「実は家族がひきこもっている」といった話がいくつも出てきて、ひきこもりの人は、自分の“すぐ隣”にいるという存在なのだとあらためて感じさせられました。
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