これが新時代のNASか!! 「+AI」でNASに新風、NAS上でローカルLLMが動く「Zettlab D6 Ultra」を使ってみた

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これが新時代のNASか!! 「+AI」でNASに新風、NAS上でローカルLLMが動く「Zettlab D6 Ultra」を使ってみた
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NASの世代が新時代へと変わろうとしている。中でも注目なのが、「AI」を武器に新たな道を切り拓こうとしているNASベンチャーのZettlab(ゼットラボ)だ。生成AIの活用は、今やさまざまな分野で取り組まれており、画像認識などに活用しているNASも存在するが、Zettlabは製品レベルのNASにLLM(大規模言語モデル)をいち早く実装したメーカーとなっている。LLMの活用によって果たしてNASはどう変わるのか? 実機で試してみた。

いわゆるRAGを実現する機能で、NASに保存されているデータを基にLLMに回答させることができる。例えば、筆者が過去に執筆したレビュー記事(Word文書、JPEG/PNG画像)や動画(MP4)をNASに保存した状態で、「USB接続の10Gbpsアダプターの性能はどれくらいですか?」のように質問すると、パフォーマンスに関する記述部分を取り出してLLMによって回答が表示される。現状、Microsoft 365 CopilotなどのクラウドAIサービスでも、こうした組織の情報に対してAIチャットを実現する機能の方が実務でのニーズが高い。これをローカルで実現できるのが、ZettlabのNASということになる。 ちなみに、回答の基になるNAS上の情報は、もちろんNASのアクセス権の影響を受ける。つまり、NASに営業部のAさんが保存したファイルと、経理部のBさんが保存したファイルがあったとして、BさんがAIナレッジベースで質問しても、Aさんが個人フォルダーに保存した情報は参照されないし、きちんと部署間での権限が分離されていれば、経理部の人の質問で営業部のデータが参照されることもない。 前述したように、ZettlabのNASの注目点はNAS上のデータへのグラウンディングの仕組みだが、こうしたユーザー単位でのアクセス制御も考慮した実装がされている点も重要だ。こうした制御がずさんだと、実用シーンで個人情報や部署内の情報が思わぬ形で漏洩しかねない。 実際にAIナレッジベースで情報を検索してみると、正直、物足りない部分もある。小規模な言語モデルらしく用語や読みを間違えたりするケースがあった(MLOなどの略語の間違い、「屋台(いえたい)」と間違った読みを記述、など)。ただ、まあ、これは許容範囲と言える。今回、テストとして、筆者が普段、執筆しているWi-Fiルーターのレビュー記事(Word形式1本5000字くらいのファイルを5本)を保存し、ここからどれくらいの情報を取得できるのかを検証してみた。 シンプルに「バッファローWSR6500BE6Pはどんな製品ですか?」と質問すると、原稿で書かれている内容をコンパクトにまとめて紹介してくれた。製品名を「WSR6500B6P」と「E」を抜いて紹介するあたりに不安を感じるが、内容は正確だ。しかし、「バッファローWSR6500BE6Pのパフォーマンスを教えて」や「バッファローWSR6500BE6Pのベンチマーク結果を教えて」という質問には、シンプルなスペックしか回答しない。保存されたファイル(原稿)内では、これらについてきちんと記述がある。これは想像だが、RAGの仕組み的に、前半に登場するキーワードが重視されているのではないかと思われる(コンテキストからあふれた情報に対応できていないのかも)。また、「WRC-BE72XSDのスペックを教えて」と質問すると、対象となるファイルは検索して表示されるものの、「WRC-BE72XSDのスペックは教えていません。」と回答されてしまう。同様に、似たようなファイルがある場合に片方がスルーされてしまうこともある。さらに、現状は、前の会話のコンテキストが考慮されずに回答されるため(メーカーによると現在のバージョンでは単一ターンでのクエリ処理のみに対応とのこと)、例えば、「WSR6500BE6Pについて教えて」に続けて「スペックを教えて」とだけ入力すると、WSR6500BE6Pのスペックではなく、シンプルに「スペック」に関連するファイルを検索し直してしまう。なので、主語を省略して質問すると、意図しない回答になりやすい。しかしながら、それでも、大量の資料の中から、知りたい情報を取り出すことができるし、あいまいな記憶から目的のファイルを探し出すこともできる。これだけでもNASの使い勝手は向上するはずだ。この機能と、前述したAIナレッジベースについては、前述したようにPC向けのアプリを利用することで、PC上で動作するLLMも利用できる。ただし、これには相応のPCスペックが必要だ。提供されるモデルは、現状、同社が用意したものに限られており、4bitや8bit量子化されてはいるものの、小型なgemma-3-4b-it-Q4_K_Mでも2.

49GB、gemma3-27b-it-Q8_0などは28.7GBの容量がある。これらをローカルのPCにダウンロードする必要があるうえ、チャット時にはメモリに読み込む必要がある。 メモリ16GBのPCでは、起動中のアプリケーション次第では動作可能な言語モデルはgemma-3-4b-it-Q4_K_Mで、それ以外はメモリ不足になってしまう可能性が高い。手元のメモリ32GBの環境で、gemma3-27b-it-Q4_K_M(16.5GB)を読み込むことはできたが、残りメモリが1GBなどになり、PCの動作が不安定になってしまった。また、CPUのみの環境でも小型なgemma-3-4b-it-Q4_K_Mなら実用的な速度で動作するが、それ以上の大きな言語モデルは、かなりトークンの出力スピードが落ちて実用的ではなくなる。GPUによるアクセラレーションが可能な環境が欲しくなる印象だ。 ただし、本製品の本質は前述したAIナレッジベースのように、あくまでもNAS上の情報にグラウンディングした回答なので、LLM自体の性能や賢さはさほど重要ではない。RAGによって取得したコンテキストから文章を生成できればいいので、小規模なモデルでも、十分実用的と言える。本製品は、筆者が検証している段階ではアルファ版のファームウェアとなっているうえ、現状は本製品の特徴となるAI機能の開発が中心となっているため、まだ機能は完全ではない。実際、筆者が試用している間に、2度ファームウェアが更新され、そこで追加された機能もいくつかある。まず、前述したようにLAGが構成できない。10Gbps×2なので、この構成を生かした冗長構成はぜひ欲しい。また、バックアップ機能については、外付けストレージや同じZettlab製品同士、Rsyncなどが提供されているが、クラウドストレージへのバックアップやスナップショット機能は現状実装されていない。今後の開発に期待したいところだ。以上、海外のNASマニアの間で話題になっているZettlabのAI NASを実際に使ってみたが、ハードウェアとしても、ソフトウェアとしても、なかなか凝った製品というイメージだ。 開発者が、既存のNASのどこに不満があり、何を改善しようとしているのかが伝わってくるコンセプトが明確な製品と言える。おそらく競合他社も今後、追従するであろうNASでのAI活用で一歩先を行く製品となっており、実用的な機能として製品に落とし込んでいる点は興味深い。

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