鉄道好きの不登校の子どもらを主な対象とした小田急電鉄の新しい学びの場「AOi(アオイ)スクール」が9月初旬、神奈川県藤沢市でプレ開校した。現役運転士2人が自らの...
鉄道好きの不登校の子どもらを主な対象とした小田急電鉄の新しい学びの場「AOi(アオイ)スクール」が9月初旬、神奈川県藤沢市でプレ開校した。現役運転士2人が自らの不登校体験を基に発案した事業。来年8月末まで試行的に運営し、本格開校を目指して事業化できるかを検証する。2人は「普段の業務で学んだことから子どもたちに何を伝えられるか、試行錯誤している」と話す。【遠藤和行】対象は原則として小学4年から中学3年。火、木曜の午前と午後それぞれ3時間の計4コース(定員各20人)で、複数のコースに申し込みができる。2日時点で51人が通い、既にコースの約8割が埋まっている。県外から通ったり、学校の放課後に利用したりする子どももいる。
中心となるスタッフは、発案した別所尭俊(べっしょ・たかとし)さん(27)と鷲田侑紀(わしだ・ゆうき)さん(28)。2人とも今春にロマンスカーを1人で運転できる社内資格を得た。週1回は運転士業務も兼務する。ほかに事業に共感した現役の駅係員や、不登校の子どもの子育て経験がある社員ら計4人も運営に携わる。 別所さんは「子どもたちの興味がどこに向いているかを意識して声をかけている」とし、鷲田さんは「子どもたちとの関係性を築くことを大切にしながら、話を傾聴している」と話している。問い合わせは公式サイト(https://aoi−school−odakyu.hp.peraichi.com/)の問い合わせフォームから。◇鷲田さんのコメント「経験話すことを決意」10歳の時に両親が離婚。高校入学の際に母親が再婚して家庭環境が変化した。自分のアイデンティティーが失われるような気持ちになったという。「生きている意味があるのか」と悩み、高校1〜2年時に週1〜2回、学校を休むようになった。「誰とも話したくない」と自宅にいることが多かったが、小田急の電車に乗り、運転士の仕事を見ると心が落ち着いた。少しずつ自分は何が好きなのかを考えるようになり、「小田急が好き」と分かった。高校卒業後、小田急への入社を目指して浪人。短大で鉄道の勉強をし、入社した。
鷲田さんはAOiスクール事業を始めるまで、不登校の経験を話さなかった。しかし「子どもたちに『好きなことに取り組んで』と語る上で、自分の経験を話した方がよいだろうと決意した」と打ち明ける。「不登校や親の離婚、再婚を経験したうえで、運転士になる夢を実現したことは、保護者や子どもたちの希望になるのでは」。そう考えている。当時を「学校に行かないのは悪いことをしている罪悪感があって、つらかった」と振り返る。 その一方で、両親やスクールカウンセラー、友人から「自分の好きなことをやった方がよいのでは」と温かいアドバイスを受けた。自分を見つめると、好きなことは「鉄道」だった。その後、親の付き添いで鉄道の旅に行き、一人旅もするようになった。別所さんは不登校の体験を話す理由を「不登校への見方を少しでも変えていきたいから」と言う。「学校に行かないから絶望しなければならないことは全くない。自分が不登校の経験を話すことで、『意外と関係ないな』と思ってもらいたい」
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