【BMW S1000RR 試乗】210psものハイパワーをつい“扱える”気になれてしまう…伊丹孝裕 バイク 新型車 BMW モトラッド 試乗記
フレームは一見しただけでは分かりづらいものの、くぼみが設けられている部分がある。これによって、加減速時に必要な縦方向の剛性を維持しながら横方向の柔軟性が加わり、よりしなやかなハンドリングがもたらされた。新型S1000RRの試乗会は、スペイン中南部に位置するアルメリアサーキットを舞台に開催された。アップダウンが多い中速コーナーが組み合わせられ、うっかりすると荷重が抜けやすいレイアウトだ。高い路面追従性が求められるわけだが、新型S1000RRの振る舞いは実に見事だった。
最も印象的なのは、ターンインからクリッピングに向かう時のスタビリティの高さだ。アルメリアサーキットのバックストレートは、6速で280km/h超に達する。そこから右に90度ほど折れ曲がったコーナーに向かってフルブレーキングしつつ、一気に2速までシフトダウン。すぐにやってくる最終コーナーを前にして車速を落とし過ぎず、しかしはらみ過ぎないようにスロットルとブレーキレバーの入力に神経を注ぐことになる……のだが、そうした操作が極めてイージーなのだ。 フロントのブレーキレバーを握ったまま車体をフルバンクさせても危うい挙動を見せることなく、その鼻先がスゥーっとインに入っていく。普通なら車体が起き上がり、あるいはタイヤが切れ込んで旋回力を邪魔する場面だが、それを難なく許容してくれる。スーパースポーツでサーキットを走る時、それを楽しめるか、恐怖感が先立つかは、フロントタイヤの接地感に寄るところが大きい。これが足りないと、ただただ我慢を強いられるわけだが、S1000RRにそれはなく、旋回中の自由度が抜群に高い。このハンドリングは、フレームの改良だけが要因ではない。安定方向に振られたキャスター角とトレール量、より緻密になったコーナリングABSとクイックシフターの精度。加えて、極めて高いライディングが要求されるため、その恩恵を授かれたのかどうかは断言できないものの、新採用の電子デバイス『この機能は、ステアリングの舵角も検知する新しい制御で、ドリフト角(≒逆ハン状態の度合い)に応じてそれを抑制したり、維持してくれるシステムだ。舵角の変化量はトラクションコントロールにも反映され、MotoGPやSBK(スーパーバイク世界選手権)のレースシーンで当たり
ボックス状のそれは、150km/hで4.3kg、200km/hで7.6kg、そして300km/hの領域では17.1kgの荷重(=ダウンフォース)をもたらす。ストレートはもちろん、高速コーナーになればなるほど、タイヤを路面へ押しつける役割を果たしてくれる。フレームの改良、ディメンションの変更、電子制御の追加と最適化、エアロパーツの採用……と改良は多岐に渡り、そのひとつひとつが従来モデルとの間に、明らかな差を生んでいる。すべてがポジティブに機能し、210psものパワーをつい扱える気になれてしまうのだ。それほどの洗練性を身に付けたという意味で、新型S1000RRはスーパースポーツ界随一の完成度を誇っている。
STDモデル(241万3000円~)とMパッケージ(286万4000円~)を主軸とし、様々なパッケージやオプションを用意。ユーザーひとりひとりのリクエストに応えてくれるモデルだ。現在、全国のディーラーで続々とデリバリーが始まっている。
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