常葉大橘は岩間大祐（３年）に注目だ。昨秋の「９番・捕手」から「１番・センター」に大変身。５０メートル６秒２の俊足と巧打で、切り込み隊長として２０１２年以来１２年ぶりの優勝へチームを引っ張って行く。
勝利のために、橘・岩間は「こだわり」を捨てた。チームのためにバットを振り込む毎日だ。しかし投手のリードに専念するあまり、バットが湿りがちに。打順は９番で、県大会では控えに回り、背番号も１２になった。「身体能力が高い選手。打ったり走ったりする力がある。それをバッティングに生かしてほしかった」と片平恭介監督（３６）。「捕手としてのプライドがあった」と悩んだ岩間も、指揮官の意図をくんで、秋の大会後に外野手に転向した。
打撃フォームも変えた。「ホームランが打ちたい」と高く足を上げてバットを振り回していたが、確実性を求めて、すり足打法に変えた。課題だった「ミート力」を克服するため、細めのバットで打つ練習も繰り返した。今春の大会は１番・中堅手。コンパクトなスイングで、チームのベスト１６進出に貢献した。 もう迷いはない。最速１４３キロのエース右腕・木下瑞貴主将（３年）も「考えすぎる選手でしたが、今は伸び伸びやってます」と活躍を期待。進化を遂げた背番号８は「第一打席の初球から思い切り振って、チームを勢いづかせたい。もちろん目標は甲子園へ行くこと」と１２年ぶりの頂点を見据えた。（里見 祐司） 〇…３番を務める山内涼雅一塁手（３年）のバッティングが好調だ。三方原中時代は浜松ボーイズで上位を打っており、身長１６０センチと小柄ながらパンチ力抜群。フリー打撃では外野手の間を抜くライナーを連発する。好きな選手はレッドソックスの吉田正尚。「ボールがよく見えています。得点圏に走者がいる場面で打って、流れを引き寄せたい」とフルスイングを誓った。
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