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小池氏の2期8年の都政に対する事実上の信任投票となった今回は、強力なライバルと見込まれた蓮舫氏の参戦や、学歴詐称疑惑の再燃などもあり告示前は「守りの選挙」になることも予想された。しかし、過去に現職が敗れたことがない都知事選で現職の強みを生かし、水面下で支援を受けた自民、公明両党などの組織も固め、「AIゆりこ」などのSNS戦略も押し出し、勝利につなげた。
2016年に、所属した自民党を敵に回して戦った最初の都知事選では、イメージカラーの緑を接点に、聴衆を巻き込んだ戦術で派手な「小池劇場」を展開し、291万票あまりで圧勝。前回2020年は新型コロナ禍のさなかの選挙戦でリモート中心の訴えとなったが、366万票あまりを獲得し再選された。 今回は、現職としての公務を優先する方針を示し「行政視察」と名付けた公務は18回。告示後の候補者討論会を求める声もあったが、小池氏の公務を理由に実現していないと、蓮舫氏に暴露された。それでも陣営は「公務優先」の方針は崩さず、街頭に連日立ち始めたのは中盤以降。対決姿勢を崩さない蓮舫氏らと同じ土俵には乗らなかった。一方、都知事選が近づくにつれ、8年前に打ち出した「7つのゼロ」公約について、一部が未達ではないかと批判が広がった。所得制限なしの子育て支援策「018サポート」などの子育て支援策には強い支持が集まる一方、かっては小池氏自身が「ブラックボックス」と批判した意思決定が自らにはね返り、今も反対論が根強い神宮外苑再開発など、小池氏の手法への批判が拡大。前回に続いて告示直前に学歴詐称疑惑も再燃し、小池氏は再び否定に追われた。街頭演説では「辞めろ」「帰れ」と批判的なヤジが飛ぶなど、これまでの小池氏の選挙ではみられなかった光景が広がった。
ポスター掲示板や政見放送などさまざまな混乱で「カオス」と呼ばれた異例の都知事選を勝ち抜き3選された小池氏だが、これまで以上に有権者の厳しい目が注がれる。小池氏には、本人が否定してもなお「国政転身」の見方が消えない。今後の国政の展開次第では再び、そうした臆測が出てくる可能性もあるが、支援を受けた自民党は裏金事件で逆風のさなかにある。これまでのような「待望論」が出るかは不透明だ。 永田町関係者は「今回の都知事選を通じ、これまでほとんど顕在化しなかった『アンチ小池』の多さが明確になった。もし都政を投げ出すようなことがあれば、求心力もなくなるだろう」と述べ、任期中の国政転身説には否定的な見方を示した。小池氏は当面、知事選で訴えた政策の実現を優先させることが求められている。
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