【パリAFP=時事】イスラエルが仕掛けたとみられるイランへの攻撃は、意図的に範囲が限定されていた。しかし、イランの指導層に対しては、機密性の高い目標を攻撃できるというイスラエルの能力を知らしめる明確な警告となった。(写真は、イスラエルに対する報復攻撃後、イランの首都テヘランのパレスチナ広場に掲げられたイラン国旗。ミサイルの模型も見える)
イランはイスラエルを国家として承認しておらず、両国は、過去数十年にわたって「影の戦争」を続けてきた。イスラエルはイラン国内で秘密工作を続け、一方のイランはパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなど、反イスラエルを掲げる過激派組織を支援している。昨年10月7日のハマスによる越境攻撃を機に、イスラエルは報復としてガザ地区への爆撃を開始。そうした中、イスラエルは今月1日、在シリア・イラン大使館領事部を空爆し、イラン革命防衛隊(IRGC)の幹部7人を殺害したとされている。イスラエルが大規模な報復攻撃に踏み切れば、イランはさらに応酬するだろうとの懸念が広がる中、米国の圧力を受けたイスラエルが選んだのは、攻撃規模を限定することだった。
米ニューヨーク・タイムズ紙がイスラエルとイランの情報筋の話として報じた情報によれば、攻撃目標とされたのは、イラン中部イスファハン州の空軍基地にあるロシアが供与した地対空ミサイルシステム「S300」のレーダーだ。同州ナタンズには、ウラン濃縮施設もある。 報道では、攻撃を仕掛けた側が特定されていないが、イラン国外の戦闘機から発射された少なくとも1発のミサイルと、(四つの回転翼を持つ)クアッドコプターと呼ばれる小型の攻撃用ドローンが複数関与していたとしている。防空網の混乱を狙ったとみられるクアッドコプターは、イラン国内から飛ばされた可能性が高い。米クレムソン大学の上級講師、アラシュ・アジジ氏は「今回の作戦の目的は、イスラエルの能力をイランに知らしめることにあった」とAFPに述べる。イスファハンでのイスラエルによる攻撃について、イラン政府側は大した被害ではないと取り繕う姿勢を見せ、ホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は米NBCテレビに対し、使用された武器は「おもちゃのようなもの」だったと述べた。「『われわれはイラン国内のどこでも攻撃できる』というのがイスラエルのメッセージだ。イスファハンはイラン中部にあり、(イスラエルから)かなり遠い。イスラエルは、攻撃できる場所を正確に把握していることになる」米シンクタンク「大西洋評議会」の上級研究員、ホリー・ダグレス氏は、イスラエルの攻撃にクアッドコプターが投入されていたのであれば、「それらはイラン国
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