慶応(神奈川)が昨夏王者の仙台育英(宮城)を8―2で下し、1916年の第2回大会以来、史上最長ブランクとなる107年ぶり2度目の優勝を果たした。初回に“慶応のプリンス”丸田湊斗中堅手(3年)が夏の甲
子園史上初となる先頭打者本塁打を放つと、13安打8得点で強力投手陣を攻略した。超満員のアルプス席からの熱烈な応援も追い風に、サラサラヘアで笑顔の似合う慶応ボーイが部訓の“エンジョイ・ベースボール”を完遂。甲子園の歴史に新たな一ページを刻んだ。「もっと悲しいかなと思っていましたが、心から慶応さんをたたえたいと思いました。取り組みが秀逸だし、技術、思考力に優れ、勝者にふさわしかった」
先取点を奪って優位に進めようというプランが、丸田の初回先頭打者弾で一瞬にして崩れた。「のまれている感じはなかったが、球場の雰囲気が“慶応空間”になってしまった」。1点ビハインドの5回の守りでは、風に流された左中間の飛球を中堅手が落球する失策もあり、一挙5点を献上した。宮城大会開幕前、須江監督は選手に「グッドルーザーであれ。どこで負けるかは分からないが、負けた時に全力で相手に拍手を送ってほしい」と伝えた。ひとしきり泣いたあと、ナインは慶応の優勝インタビューに拍手していた。「最高のベストゲームだった」とナインをたたえた指揮官は、「人生は敗者復活。この経験を次に生かします」と視線を上げた。選手の首にかけられた銀メダルには、金に等しい輝きがあった。(浜木 俊介)
◆記録メモ ▼7校目の夏連覇ならず 連覇を目指した仙台育英は準優勝。04、05年駒大苫小牧以来、7校目の連覇(31~33年中京商3連覇)はならなかった。夏の連覇に挑戦したのは、延べ41校目。決勝までたどり着いたのは11度目だったが(他に2回戦含め初戦敗退14、2回戦6、3回戦2、準々決勝4、準決勝4度)、あと一歩で涙をのんだ。阻止したのは、神奈川代表の慶応。夏の連覇阻止回数では、東京勢5度に次ぎ、神奈川勢は4度目。大阪勢と並び、2番目になった。 〇…決勝でも151キロを計測した仙台育英・湯田統真、失策絡みで5失点したが147キロを出した高橋煌稀の両投手はプロ志望届を出さず、大学進学が第1希望だ。左腕の仁田陽翔はプロ志望だが、今大会はわずか2試合、2回2/3しか投げられずにアピールできなかった。進路については大会後、須江監督との面談で最終決定する見込みだ。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
【甲子園】神村学園、先制も2回1点止まりに指揮官悔やむ「攻撃的にいければ…」 : スポーツ報知慶応(神奈川)が土浦日大(茨城)との“サラサラヘア対決”を制し、103年ぶり3度目の決勝進出。第2回大会の1916年以来、107年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。2年生右腕・小宅雅己(おやけ・まさき
続きを読む »
【甲子園】清原和博氏、次男・勝児の甲子園決勝に「運命感じる」過去の父子進出は現楽天・黒川史陽ら : スポーツ報知慶応(神奈川)が土浦日大(茨城)との“サラサラヘア対決”を制し、103年ぶり3度目の決勝進出。第2回大会の1916年以来、107年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。2年生右腕・小宅雅己(おやけ・まさき
続きを読む »
【甲子園】慶応に有望選手が集まる理由 野球推薦なし、入学に勉強不可欠も「エンジョイ野球」へ憧れ : スポーツ報知慶応は全国屈指の高偏差値を誇る難関校だ。それでもなぜ才能にあふれた選手たちが集い、甲子園で勝ち進むことができるのか。全国の有望中学選手が受験を志す背景に迫った。
続きを読む »
【甲子園】仙台育英、Wエース継投リレーで連覇王手…05年駒大苫小牧以来へ須江航監督「パワー送ってもらえたら」 : スポーツ報知昨夏も優勝に貢献した強力2枚看板の継投リレーで、仙台育英が夏連覇へ王手をかけた。今大会初先発の背番号1・高橋が5回を投げて82球の熱投。最速148キロの直球を軸に6安打7奪三振2失点にまとめた。公式
続きを読む »
【甲子園】土浦日大、開幕戦37年ぶり白星からの快進撃終わる 小菅勲監督「歴史塗り替えた」 : スポーツ報知慶応(神奈川)が土浦日大(茨城)との“サラサラヘア対決”を制し、103年ぶり3度目の決勝進出。第2回大会の1916年以来、107年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。2年生右腕・小宅雅己(おやけ・まさき
続きを読む »