【甲子園100年物語(6)】阪神電鉄・三崎省三が米国で見た夢 甲子園建設へ

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【甲子園100年物語(6)】阪神電鉄・三崎省三が米国で見た夢 甲子園建設へ
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8月1日に甲子園球場は開場100年を迎える。「甲子園100年物語」と題した連載で、“聖地”の歴史や名物の秘話などを紹介する。

甲子園球場が建てられた土地は、武庫川の支流・枝川と、またその支流の申川に囲まれた三角地帯。過去にしばしば氾濫していた武庫川を改修しようとした兵庫県が、その費用を捻出するために、枝川、申川を廃川にし、その河川敷を一括で払い下げることにした。ただ、細長い川の跡地など、なかなか買い手はつかない。一面の荒れ野原。河川には人の背丈より高い竹や葦(あし)が茂り、鳴尾村の住民もあまり寄りつかなかった。そんな土地を、阪神電鉄は購入した。決断したのは同社専務の三崎省三(せいぞう)だった。

19歳の時、自費でアメリカに渡り、電気工学を勉強。8年間の米国暮らしで、ベースボール人気に触れた。このスポーツは日本でも発展するはず―。そう確信した。帰国後は阪神電鉄に入社。1910年に欧米を視察した際には、英国や米国の保養地などを見て、今度はこんな構想を抱いた。武庫川一帯を海岸リゾート地にしよう―。そんな大きな夢がかなうチャンスが転がり込んできたのだ。社内の実力者になっていた三崎は22年6月、土地払い下げの契約書にサインした。 23年11月、収容人員6万人という大球場の建設を決定。全国中等学校野球大会のためだけに、そんな大規模な球場が必要なのか。23年の鳴尾での大会はわずか5日間の開催。24年に第1回センバツ(愛知・山本球場)が開かれるが、まだプロ野球もない時代だ。それでも、三崎は、野球が日本でももっと人気になる、と信じていた。

設計を命じられたのは野田誠三。後のタイガース・オーナーだが、当時は入社2年目。青年技師は、その頃新設されたヤンキースタジアムの視察を申し出た。だが、三崎は、翌年8月に完成させるには渡米する時間はないと却下。野田はニューヨーク・ジャイアンツの本拠地ポロ・グラウンドの設計図などを参考に、苦心して設計。24年3月に起工。わずか4か月余りの突貫工事で、8月1日、日本初の本格的な野球場が完成した。 正面4階建ての鉄筋コンクリート造りで内野スタンドは50段、土盛りの外野スタンドは20段。こんな大規模な観客席が埋まるのかという会社内外の危惧をよそに、8月13日に開幕した第10回全国中等学校野球大会は大盛況で、大会3日目にはスタンドが超満員になった。立ち見席を含むと、8万人が詰めかけたとも言われる。三崎の先見の明が証明された。

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