【深掘り】「淡々と進める」言葉とは裏腹 政府、工事準備に前のめり 法的手続きに並行し協議文書も提出 辺野古承認指示 - 琉球新報デジタル
米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府は軟弱地盤の改良工事を追加するための設計変更について承認を得るため、代執行訴訟に向けた手続きをまた一つ進めた。法的な手続きと並行し、関連工事に着手するために協議文書も県に提出していた。「淡々と手続きを進める」(防衛省関係者)との言葉とは裏腹に、承認を得た後、早期に作業を開始したいという前のめりな姿勢が垣間見える。 (1面に関連)
県の承認を得なければ防衛省は大浦湾側で地盤改良工事などに着手することはできない。27日には、最高裁判決に従って承認するよう求めていた国土交通相に対し、玉城デニー知事は期限内の「承認は困難」と伝えた。県関係者の一人は「昨日の今日の話なのに、指示が出たからといってすぐに『承認します』という話にはならない」と語り、代執行に向けた手続きを進める国をけん制した。 なかなか答えを出さない県に対し、政府側が焦る様子はない。今すぐに承認を得ても、大浦湾の地盤改良工事を始められる訳ではないからだ。8 日に承認が必要となる大浦湾側で地盤改良工事や護岸造成に関する4件の工事について発注手続きを始めたが、業者が決まるのは11月22日の予定だ。それから契約手続きを経て着工となる。
自民党関係者は「知事も苦しい立場で(判断に時間を要するのは)しょうがない。検討する時間はまだある」と余裕を見せつつ「ボールはずっと県にある。(政府・与党側で)できることは淡々と手続きを進めるしかない」と話した。 大浦湾側の工事に必要となる設計変更申請を県が承認しない中、政府は手続きの完了を待たずに工事を進める姿勢を改めて示している。今月21日、大浦湾側の工事に関する実施設計の協議文書を県に提出した。「司法の最終判断が示されたところであり、県において判決に沿った対応が速やかになされると考えている」。前のめりで準備を進めながら、防衛省関係者は淡々と語った。 (明真南斗、知念征尚)
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