プロ野球は開幕からほぼひと月が過ぎました。この出だしの期間でちょっと気になる選手がいます。広島の九里亜蓮投手(32)です。
11年目で初めて開幕投手の大役を担い、ここまで5試合に登板してすでに33回⅓を投げ、被安打は26、防御率は3・21ですから十分に安定した内容を示しています。でも、皮肉なことに0勝2敗と白星がつきません。打線との巡り合わせもあり、2試合が延長12回0―0の引き分けなのです。打線の援護に恵まれなかった年はありますが、4月19日の巨人戦、28日の中日戦と先発した2試合続けてスコアレスドローというのは稀有だと思います。
その中日戦も7回99球4安打3三振2四球0失点の好投、それでも勝利投手になれませんでした。開幕投手ですから常に好投手と投げ合うことにもなりますが、初めてのシーズンで勝つことの難しさに直面しています。この日の登板は雨や試合日程の関係で登板間隔が変わったため、開幕投手同士のマッチアップは避けられるサイクルになりました。しかし中日は、不調から万全な調整をしてここにかけてきた高橋宏斗が絶好調でした。さまざまな要素が絡み合い、開幕から1カ月以上白星を手にすることはできていません(12球団の開幕投手でヤクルトのサイスニードと2人だけです)。 でも、この日も見事な粘投が印象に残りました。九里の特徴は豊富な球種を駆使しストライクゾーンで勝負できることです。スライダー、チェンジアップ、シュート、カットボール、ツーシーム、ナックルカーブ…。貪欲な研究心から、もともとの120キロのチェンジアップの球速を上げる、スプリットチェンジも習得しました。ストライクに見えるところから動かしてきますので、打者は常に振る姿勢で打ちにいくと、少しずつ芯を外されるパターンにハマります。
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