未曾有の原発事故から12年。東京電力の福島第一原発では今も廃炉に向けた作業が続けられている。燃料デブリが堆積する原子炉の下はどのような構造なのか。中国と韓国に赴任し、事故に対する現地の反応を目の当たりにしてきた筆者が、原発内部に入って感じたこと、そして、“処理水”の海洋放出の現場は今…。(報道局デジタルグループ、前NNNソウル支局長 原田敦史)
筆者は、2011年3月の東日本大震災当時は、東京の本社でニュース番組のディレクターをしていたため、福島、宮城、岩手などへの取材は幾度となく行ってきた。しかし、直後は取材の制約が大きかったこともあり、福島第一原発そのものに入る機会はなく、今回が初めてだ。
また、今回は内部被ばくの有無を調べるため、視察の前後で体内の放射性物質からの放射線を計測する「ホールボディカウンター」という装置も使用した。1分間、イスに座った状態で、もともと体内に存在する放射性カリウムなどから出る放射線を測定する。筆者の場合は、視察の前後とも1分間で約1400カウント。一般的に500~2000カウント程度だという。一方、それらの間に位置する2号機は水素爆発が起きず、建屋はほぼ原形をとどめている。しかし、実はこの2号機こそが、最も多くの放射性物質を漏洩して周辺の汚染を引き起こしたと、木野参事官は説明する。「浅く見えると思いますが、プールの深さは11メートル、燃料棒が4メートルなので、上に7メートルの水がある状態です。この水が核燃料を冷却して、放射線を遮断しているわけで、水がなかったら我々は一瞬で被ばくしますよ。」
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