◇セ・リーグ阪神4ー3中日(2024年7月28日甲子園)午後10時を回り「ジージー」とバックネットにいたアブラゼミが鳴きだした。風もやんでいた。蒸し暑さのつのる延長11回裏だ...
阪神監督・岡田彰布は例年、シーズン後半の勝負どころを迎えると「どんな形でも勝てばええんや」と内容は問わなくなる。それまでは勝っても負けても反省点を指摘し時に激しく非難する。むろん、チームの成長を願ってのことである。ところが昨年、阪神監督に復帰して勝負時期が早まっていることに気づいた。開幕が早まり、試合消化が昔より早いのだ。今の勝負時期は8月中旬と言えるだろう。3―1と2点リードの9回表に投入した岩崎優は思わぬ不調だった。制球が定まらず、切れも欠いていた。4安打1四球で2点を失って同点とされた。1イニングで実に43球も投げた。クローザーとして、心を痛めていることだろう。試合内容はお世辞にもほめられたものではなかった。8回まで拙攻の連続だった。12安打2四球敵失1で3点。併殺打2本に走塁死2度、8残塁。つまり12人の走者を無駄にしていた。
それでも――勝てばいいのである。勝利監督インタビューで内容について問われると「内容?」と言葉に詰まった。記者団の囲み会見が終わり、「勝てばええ、と書きます」と伝えると「そらそうよ」。そして「内容じゃないよう」と口にし、駄じゃれになっていることに気づいて笑った。
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