横綱昇進を目指す大関・大乃国は7日目の小結・前乃臻戦に不覚を取った。13勝以上の優勝か優勝次点が綱取りの条件になっており、序盤で痛い1敗だった。8日目、大関・北天佑との一番も苦戦となった。もろ差しに
なって攻め込んだが、相手の捨て身の首投げ。軍配は北天佑に上がったが、物言いがついて、同体取り直しとなった。取り直しは寄り切りで勝ったが「きのう、土俵際でやられたのがつい頭に浮かんで、足が止まってしまった。リラックスしていこうとしているんだが…」。じわじわとプレッシャーを感じている様子だった。
9日目の西前頭筆頭・孝乃富士には、問題なく押し出しで勝利。10日目は、大きな関門となる大関・小錦戦を迎えた。9戦全勝で初優勝へばく進する小錦は絶好調。対戦成績は6勝9敗と大乃国はリードを許していた。211キロの大乃国と224キロの小錦の巨漢同士のぶつかり合いとなった。 小錦の繰り出す5発の突っ張りに、大乃国はずるずる後退。さらに左のど輪、右おっつけに弓なりになってこらえたが、たまらず俵の外へはじき出された。わずか4秒7で決着がついた。「痛い1敗といっても負けたものはしょうがない。突っ張りをうまく、かわさなきゃいけないのに。負けるのは相撲に欠陥があるから。これを直さなきゃ」と首をかしげて、ぼやいた。
本紙評論家の北の湖さんは「大乃国は左からまわしを取りにいったと思うのですが、踏み込み不足。背中を丸くしながら踏み込むという鉄則も忘れてしまっている」と敗因を分析した。もう綱取りにあと1敗もできなくなった。大乃国はまさに崖っぷちに追い込まれていた。(久浦 真一)=つづく= ◇大乃国 康(おおのくに・やすし)本名・青木康。1962年10月9日、北海道・芽室町出身。60歳。78年3月場所、初土俵。83年3月場所、新入幕。85年7月場所後、大関昇進。87年9月場所後に横綱に。91年7月場所で引退。引退後は、芝田山部屋を創設。現在は日本相撲協会事業部長。優勝2回。殊勲賞5回、敢闘賞2回。通算成績は660勝319敗107休。189センチ、211キロ。得意は右四つ、寄り、上手投げ。
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