【評論家コラム:上原浩治】仕上がってきたバウアー 日本球界にはいない余力残して投げられる一流の先発投手 DeNA baystars npb
思わずうなってしまった。1点リードの9回1死三塁、マウンドのDeNAトレバー・バウアー(32)が、ナックルカーブで清宮を空振り三振に打ち取った。高めのボールゾーンからブレーキがかかり、ワンバウンドしてからミットに収まっていた。
どれだけすごいナックルカーブだったか、清宮のスイングを見れば分かる。高めのボールゾーンから急激に曲がり落ちてくる。ストライクゾーンに入ると思って慌ててバットを出したが、その曲がり幅は想像以上でワンバウンドした。中途半端なスイングに見えたのは、清宮が予想したナックルカーブの範囲を超えたからだろう。 文句なしの内容だった。中4日で113球の完投勝利だが、最後の打者・加藤豪への3球目の真っすぐはこの日最速156キロをマーク。バウアーはいつも試合終盤に最速を計測するが、これは余力を残している証拠。一流の先発投手は、ここ一番にギアを上げられるようにペース配分する。だが、今季初の中4日で余力を残して投げられる先発投手は、日本球界にはいないと断言できる。
いよいよ仕上がってきた。当初、ナックルカーブが高めに抜けたり引っかけたり、安定していなかった。しかし、今試合ではカウント球にも勝負球にも使えていた。曲がりが大きく、ブレーキが利くため、打者の目線はどうしても高めになる。そこへ回転のいいフォーシームがくるから、バッターは高めのボールゾーンを空振りする。今後に向けて不安を挙げるなら、慣れない日本の生活と蒸し暑い日本の夏に対応できるかだけだろう。ここまでの登板を見ていて、結果がついてこないとチームで浮いた存在になる危険性があると思っていたが、この内容なら誰も文句は言えない。9回は投げないだろうと思っていたが、ベンチに帰るとさっさとバッティング手袋を装着。交代させたくても言い出せないような雰囲気を自ら作っているように見えたが、「どうぞ、投げたいだけ投げてください」と言いたくなるほどの内容だった。
万波に154キロの真っすぐを本塁打にされたが、失点はこの1点だけ。きれいな回転の真っすぐを投げる投手は、ホームランを打たれやすいイメージがあるが、走者を置いての1発でなければそれほど気にしなくてもいいだろう。
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