パリ・オリンピック（五輪）のボクシング女子66キロ級の2回戦で、試合開始46秒で棄権したアンジェラ・カリニ選手（25、イタリア）が2日、試合直後の自身の対応について、対戦相手のイマネ・ケリフ選手（25、アルジェリア）に「謝りたい」と語った。
国際オリンピック委員会（IOC）は、昨年の世界選手権でウェルター級のケリフ選手が失格となったのは、男性ホルモンの一種であるテストステロンの上昇によるものだったと述べた。ケリフ選手は、2021年の東京五輪にも出場している。こうした中、カリニ選手は「この論争を悲しく思う」とイタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトに語った。「そんなことをするつもりはなかった」と、握手しなかったことについてカリニ選手は述べた。「実のところ、彼女とみんなに謝りたいと思っている。あの時の私は、自分のオリンピックが終わってしまったことに腹を立てていた」。1日の試合で、開始30秒以内に顔面にパンチを受けたカリニ選手は、コーチにヘッドギアを直してもらうためにコーナーに向かった。試合は再開したものの、カリニ選手はもう一度コーナーに戻り、試合を止めた。
カリニ選手は試合後、BBCスポーツに対し、「私は試合を終えられなかった。鼻に強い痛みを感じた。自分の経験と女性としての成熟のためだと（自分自身に）言い聞かせて、自分の国に悪く思われないように、父に悪く思われないようにと願ったけれど、私は止めた。自分のために止めた」と語った。IBAのウマル・クレムレフ会長は2日、同団体がカリニ選手側に10万ドル（約1500万円）を支払うつもりだと述べた。これは今大会の金メダリストへの賞金と同額で、半分はカリニ選手に、4分の1は同選手のトレーナーに、残りの4分の1はイタリアのボクシング連盟に支払われるという。「この出場者（ケリフ選手）が女性部門で競えるのはフェアだとは、私は思わない」と、ハモリ選手はソーシャルメディアに投稿した。
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