<テニス:ジャパンオープン>◇18日◇東京・有明テニスの森公園◇車いすの部世界ランキング1位の小田凱人(17=東海理化)が快勝発進した。男子シングルス1回戦(準々決勝)...
1セット目の第1ゲームからいきなりブレークに成功すると、その後も鋭いサーブで相手を寄せ付けず。力強いサービスエースを決めると、相手が驚きのあまりほほ笑む場面もあった。最後まで攻め手を緩めず、圧倒。勝利の瞬間は引き締まった表情を緩め、両手でガッツポーズを掲げた。わずか43分の危なげない戦いぶりに、「初めから100%だったが『徐々に』という気持ちで良い流れがつかめた。サーブでポイント取れたので次にも大きくつながってくる」と、振り返った。
母国でリスタートを期す。先月にニューヨークで行われた全米オープンで4大大会3連勝を目指したが、ステファン・ウデ(フランス)にストレート負けでまさかの初戦敗退。競技を始めるきっかけとなった国枝慎吾さんのライバルだった52歳を相手に、悔し涙を飲んだ。「相手というより弱い自分に負けた」と反省。この日は「ここで負けたらどうしよう」という思いもあったが、「自分のテニス」を意識した。「メンタルも技術も特に変わったところはない。攻めて攻めて攻めきるところを貫く」と、自然体で強さを発揮した。 昨年は国枝さんに敗れ、優勝を逃したジャパンOPの舞台。「学んできた物を見せたいし、初めて見る人にも衝撃を与えたい」と、この1年間の成長を見せつける。今年は6月に4大大会(グランドスラム)の1つである全仏オープンを17歳33日の史上最年少で優勝。さらに7月には、同じく4大大会の1つのウィンブルドンを制覇した。8月下旬にはグローバル経済誌フォーブスジャパンが発表する日本発「世界を変える30歳未満」の120人にも選出。世代を代表する1人となり、「これからも僕がいろんなことにチャレンジしていくことで世界を変えていけるような選手を目指して頑張りたい」と目標を掲げていた。