【あなたの上司は?】ドラッカーが教える「真のマネジャー」を見分ける基準 - 定番読書
本書の大きな特徴は、具体的なマネジメントの方法に入る前に、「マネジメントの使命」という「前段」がしっかりと語られていることだ。そもそもマネジメントとは何か。なぜマネジメントは必要なのか。マネジメントの前提としての、仕事、人間、社会的責任とは。現代社会において、企業は組織の一つにすぎない。企業のマネジメントだけがマネジメントではない。政府機関、軍、学校、研究所、病院、労働組合、法律事務所、会計事務所、諸々の団体など、いずれも組織である。そして、いずれもマネジメントを必要とする。これら企業以外の組織、すなわち公的機関こそ現代社会の成長部門である。今日われわれの社会は、企業社会というよりも多元社会である。つまり公的機関に属する人々、政府機関、軍、学校、研究所、病院、労働組合、法律事務所、会計事務所、その他の団体に属する人たちや企業内のサービス部門の人たちにも、本書は大いに役に立つということだ。実際、第2章「公的機関の成果」で、公的機関不振の原因や公的機関成功の条件が語られる。第3章は「仕事と人間」がテーマだ。仕事と労働、仕事の生産性、人と労働のマネジメント、責任と保証、「人は最大の資産である
今日、マネジャーの真の定義、すなわち誰がマネジャーかを明らかにすることが緊急の課題になっている。マネジャーを見分ける基準は命令する権限ではない。貢献する責任である。権限ではなく、責任がマネジャーを見分ける基準である。いわゆるマネジャーと専門家との関係も、マネジャーを責任と機能によって定義することによって、初めてはっきりさせることができる。この文章を書いている私は、1994年にフリーランスになった。それまでの5年間を思い出すと、当時の上司のイメージは明らかに前者だった。しかし、どちらのマネジャーが部下にとってありがたいのかは、明白だろう。 そしてマネジャーには2つの役割があるとする。「部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造すること」、そして「あらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくこと」だ。実際にはほとんどのマネジャーが、マネジメント以外のことに多くの時間を使う。(中略)だがそれらの仕事は、あらゆるマネジャーが行うべき仕事、マネジャーに共通した仕事、マネジャーだけが行う仕事ではない。極めて明快だ。その後は、マネジャーの資質、最大の貢献、職務設計のまちがい、マネジメント限界の法則などが展開されていく。そして第6章から展開されるのが、「マネジメントの技能」である。意思決定、コミュニケーション、管理、経営科学だ。意思決定については、日本独特の「合意(コンセンサス)によって意思決定を行っている」という興味深いエピソードの紹介からスタートする。マネジメントの行う意思決定は、全会一致によってなされるようなものではない。対立する見解が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めて行うことができる。し
コミュニケーションを成立させるものは、受け手である。コミュニケーションの内容を発する者、すなわちコミュニケーターではない。彼は発するだけである。聞く者がいなければ、コミュニケーションは成立しない。意味のない音波しかない。
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