〝岡田古希監督〟でタイガース黄金時代を築け！ 岡田彰布監督（６５）率いる阪神は日本シリーズでパ・リーグ３連覇のオリックスを４勝３敗で下し、１９８５（昭和６０）…
〝岡田古希監督〟でタイガース黄金時代を築け！...
「何とか達成できたんでね、アレのアレを。今年１年を本当にいい形で終われて、これは本当にファンのおかげだと思うので本当にありがとうございました！ いや、オリックス強かったです。本当にね。最後の最後までどっちに転ぶか分からないような展開で。きょうはタイガースのいいところが出たんですけどね。今年のプロ野球の最後の締めくくりとしてはね、本当にいいゲームができたので、本当によかったと思います」 それは何か－。指揮官が言う通り、全国の阪神ファンの熱い声援、励ましがチームに力を与えたのは事実です。平田勝男ヘッドコーチ以下、コーチ陣が、どちらかといえば口下手で主語がない…ともいわれる岡田監督の意向をよく聞き、理解し、導きたい方向にチームを動かす努力を積み重ねたのも勝利の要因です。ただし、やはり痛烈に感じるのは岡田彰布という稀有（けう）な人材が組織の頂点にいたからこそ、阪神タイガースは１８年ぶりのリーグ制覇、３８年ぶり２度目の日本一を達成できたと思います。８５勝５３敗５分けで独走Ｖを果たしたシーズンでは、１番近本、２番中野、４番大山、８番木浪の不動のオーダーを組み、リリーフ陣を整備して、チームで点を取り、相手に無駄な点を与えない野球を貫きました。岡田監督にどっしり構えられた相手は、どうしても先に動き、試合の流れをつかもうとして、逆に手放したシーンを何度も見ました。
日本シリーズでも第４戦の３対３で迎えた八回２死一、三塁のピンチでの湯浅投入は球場をどよめかせ、ムードを一気に変えました。湯浅の日本シリーズのベンチ入りはこの日が初めて。中川圭を抑えたことで流れを呼び込み、九回にサヨナラ勝利。３勝３敗で迎えた第７戦の先発には今季のシーズン開幕投手、青柳をマウンドに送り、リリーフには第３戦の先発だった伊藤将を待機させました。青柳を４回⅔で交代させて、計算通りの継投でオリックスの反撃の芽を摘みました。さらに驚いたのは第６戦の坂本の打席です。試合には１対５で敗れましたが、二回２死一、三塁の場面で岡田監督はセーフティースクイズのサイン。四回１死一、三塁の場面でもスクイズのサイン。いずれもファウルになり成功しませんでしたが、坂本へのスクイズ指令には「前振り」があります。直前の試合後、報道陣から「スクイズのサインは出さないのか？」と聞かれた指揮官はサラっと「シリーズではスクイズのサインは出せんやろ…。失敗したら、シリーズの流れが変わってしまう」と話していて、それが新聞に載っていたのです。報道を利用してオリックスベンチに「岡田采配ではスクイズはない」と〝三味線〟を弾い
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