【独白愉快な“病人”たち】安藤瞳さん(プロボウラー/35歳)=摂食障害◇◇◇「先生や親に褒められたい」「いい子でいたい」という思いが強い子供でした。すべてが完璧でない...
初めはご飯のグラム数を量って食べ、次に油物を食べなくなり、その後はご飯も食べなくなりました。食べられる品目が徐々に少なくなって、最後はヨーグルトやゼリーしか口にしなくなって……。いわゆる「拒食症」でした。見るからに危ない状態だったようで、心臓の近くに濃い栄養を入れるための手術をされました。でも、当時の私は「太らされる」と思い、せっかく手術してもらったのに針を自分で抜いてしまったのです。周りがみんな敵に見えていました。周りを信じていなかった私に、先生は4時間以上かけてカウンセリングをしてくれました。私が納得するまで話し合って、「体重が○キロ増えたら退院」というラインを決めました。先生の言葉の中で一番印象に残っているのは、「何があっても死なないでください」という言葉です。この“死なない約束”がその後のつらい治療を支え、今でもお守りのように胸に刻まれています。
治療は厳しかったです。「認知行動療法」といって、いくつか制限を設けて進めていきます。たとえば、体重が100グラム増えたら部屋の中を自由に歩けるけれど、逆に100グラム減ったらベッドから出られないとか。面会は1日2時間厳守で、たとえ深夜に私が倒れても例外はありませんでした。実際、栄養不足で何度も倒れましたし、腸閉塞を起こして手術になったこともありますが、倒れれば親が来てくれると思わないように、面会時間は厳守されました。 先生は、「摂食障害は苦しい。でも摂食障害になってあなたの命は延ばされたのです」とおっしゃいました。「摂食障害は長い時間をかけた自殺。もし摂食障害にならなかったらすぐに死ぬ道を選んだかもしれない」と……。病気は悪いものと思っていましたが、「一緒に手をつないで人生という道を歩いていくものなんだ」と意識が変わったのはその頃からです。だからといってすぐに回復に向かったわけではありませんが、先生は家族へのカウンセリングも行い、家族が一緒に頑張る土台をつくってくれました。食べられるようになったら、今度は体重を増やしたくないのに食べてしまう「過食症」になりました。吐くことはありませんでしたが、絶食と下剤を大量に飲むようになりました。
ほとんど行けなかった小学校はギリギリ卒業できましたが、これから頑張ろうと思っていた中学校も1年生の最後にまた食べられなくなり、2年生から再び入院しました。自分がこのままでは危ないことが分かっていたので、食べられるものを食べるように努力し、カウンセリングで考え方の改善を図りました。成績は良かったので中学も卒業はできました。ただ、高校は通信制を選びました。ボウリング場でアルバイトをしながら勉強し、痩せた体で練習しました。自分でもどこにそんな体力があったのかと思いますけど、10ゲームぐらい投げられたのです。高校生でスコアのアベレージは180ぐらい。でも、それではプロは無理。伸び悩んで病気をぶり返しそうになったときもありましたが、21歳のときにプロテストを受けて一発合格したのです。テスト前は追い詰められて食べられなくて体重は38キロぐらいしかなかったのに、合格できて自分でもびっくりしました。どんなことがあっても、たとえ自分が許せなくても、死んではいけない。「頑張れ」とは思わないけれど生きていなければ見えないものがある。病気を通して、私はそう学ばせてもらいました。▽安藤瞳(あんどう・ひとみ)...
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ハル・ベリーとケイト・ハドソンがお揃いのルックで美脚の競演!|Pen Onlineハル・ベリー(57歳)とケイト・ハドソン(44歳)。halleberry-Instagramハル・ベリー(57歳)とケイト・ハドソン(44歳)、美人女優ふたりが白いTシャツとブルマーにも見える、ホット...
続きを読む »
倉科カナ、丸山桂里奈の食リポにダメ出し「壊滅的でしたね(笑)」(2023年10月7日)|BIGLOBEニュース女優の倉科カナ(35歳)が、10月7日に放送されたバラエティ番組「サスティな!」(フジテレビ系)に出演。タレント・丸山桂里奈(40歳)の食リポに「壊滅的」とダメ出しした。番組…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
安藤美姫が手術報告、退院して元気だけど…「めっちゃ痛い笑」(2023年10月4日)|BIGLOBEニュースプロスケーターの安藤美姫(35歳)が9月30日、自身のInstagramを更新。手術を受けたことを報告している。この日投稿した「ご報告」では、「私事ではございますがこの度現役…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
お酒が女性をかつてないほど死なせている 縮む男女差米フロリダ州タンパ在住の起業家でブロガーのジャスミン・シャルボニエさん(35歳)は、学生の頃から酒の量が多かった。30代前半にはテキーラ入りカクテルを1日に8杯飲む日が週に数回はあったという。昨年、酒を断とうとしたところ、離脱症状(禁断症状)に陥ってしまい、その時初めて事の重大さに気付いた。アルコール関連の疾患で死亡する確率はいまだに男性の方が高いが、最近は男女の差が縮まっていることが最新の研
続きを読む »