「慰霊なくして平和なし」更生に導いた師の教え、受け継ぎ住職に 続ける「行脚」への思い 沖縄 - 琉球新報デジタル
戦没者の永久供養などを条件に土地の寄進を受け1981年に建った。横浜出身の住職伊東政浩(せいこう)さん(53)は10代のとき、初代住職の指導を受け更生した。「慰霊なくして平和なし」とする師の教えを受け継ぎ、慰霊行脚を重ねる。戦いがあった5月には毎年、境内に立つ約3メートルの角塔婆を新調する。標高52メートルの丘を米軍がシュガーローフ(砂糖菓子)と名付けた。日本軍は地下道を掘って堅固な陣地を構築。45年5月12日に戦闘が始まり、接近戦の激しい攻防の末、同18日に米軍が頂上を制圧した。死者は日米双方で5千人ともいわれる。
戦後は北側が米軍に接収され、住宅地域に。その南隣に日蓮宗の同寺が建った。60年代から布教活動を続けた故・鹿糠堯順(かぬかぎょうじゅん)さんに共鳴する地元の男性が土地約1650平方メートルを寄進した。その際、鹿糠さんが取り組んでいた戦没者の供養と、荒れた青少年を集めての更生支援を続けることが条件だったという。「素行に問題があった」と振り返る伊東さん。16歳から2年間、鹿糠さんのもとに預けられた。戦跡を巡る慰霊行脚に連れて行かれることも。多くの遺体が無残に処分された話に心を動かされた。「苦しんで亡くなった方々が成仏していない。供養をしたい」。僧侶になる決意をした。 それ以来、慰霊行脚に通うように。2022年7月には同寺の3代目住職に就任。シュガーローフの戦いの時期の8日間、読経し、太鼓をたたきながら一帯を歩く。毎月10日には県内各地で慰霊をすると決めている。「過去の悲しみに寄り添い、行動することが平和につながる」と伊東さん。沖縄での気づきを原点に歩き続ける。
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