「中国製ドローン禁止」で悲鳴を上げる米国の地方自治体 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

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フロリダ州マイアミの自治体で、蚊の駆除を手がけるキエラ・ルーカスは、中国製ドローンの代わりとなる方法に迫られている── →「中国製ドローン禁止」で悲鳴を上げる米国の地方自治体

フロリダ州マイアミの自治体で、蚊の駆除を手がけるキエラ・ルーカスは、しばしばドローンを使用して厄介な虫を調査し、駆除する任務を負っている。しかし、フロリダ州では最近、中国製のドローンの利用を禁止する規則が制定されたため、彼女はドローンの代わりに膨大な費用を投じてヘリコプターを活用するか、あるいはもっと恐ろしい方法をとることを迫られている。今月初めの規則の改訂前に、彼女が所属する蚊の管理局は8機の蚊の撃退用ドローンを保有していた。そのうち、5機は中国のDJI製で、もう1機は米国のSkydioが中国で製造したものだ。残りの2機はまだ使用可能だが、ルーカスによれば、DJI製のものには性能が劣るという。このドローンをめぐる規則改訂は、TikTokの禁止を検討し、中国のハイテク企業を締め出そうとする米国議会の動きの一環だ。DJIの場合は、国防総省や内務省を含む複数の連邦政府機関が、すでに機関内で使用を禁止している。そして今回、デサンティス知事率いるフロリダ州が、州としては初めて禁止措置を導入した。

今回の規制を実施する州の管理サービス局(DMS)の広報担当者のダン・バローは、中国製ドローンがフロリダ州に「重大なセキュリティリスクをもたらす」とフォーブスに宛てたEメールで述べた。この規則によって、消防署や警察などの複数の機関が、対応を迫られることになった。ドローンの専門家によれば「懸念国」のものではない代替の機種は入手可能だが、一般的にそれらはコストが高く、性能も低いという。 マイアミ・デイド消防救助隊長のルイス・バレリーノはフォーブスに「5年前に押し戻されたような気分だ」と語った。彼らは、DJI製ドローンに代わる新しいドローンを手に入れたが、性能が大きく劣るという。例えば、代替機には衝突回避ソフトウェアが搭載されていないため、建物内で飛行させることが不可能だという。ボストンを拠点とするドローン関連のコンサルタントのフェイン・グリーンウッドは、フロリダ州は今「一律的なアプローチが新たな課題を生み出す」という困難に直面しているとフォーブスの取材に述べた。

「このような規則を連邦政府レベルで一律に導入するのは本当にひどいことです。蚊を研究する人と、国家のセキュリティを担当する人が、同じルールで縛られるなんて理解し難いことです。中国人は、フロリダの人里離れた場所で行われる、蚊の駆除に興味があるのでしょうか?」と彼女は話した。

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