「パワーアンプ内蔵DSP」が役に立つのはどんな車種?…キーワードから読み解くカーオーディオ カーオーディオ
今回クローズアップするワードは、「パワーアンプ内蔵DSP」だ。なお、以前の記事にて「プロセッサー」にはタイプ違いがあると説明したが、最初にその内容を簡単におさらいしておきたい。
さて、「プロセッサー」とはサウンドチューニング機能を搭載したメカのことをいうのだが、まずは大きく2タイプに分類できる。1つが「アナログ型」でもう1つが「デジタル型」だ。ちなみに昨今の主流はズバリ、「デジタル型」だ。そして「デジタル型」の「プロセッサー」は「DSP」とも呼ばれている。「DSP」とは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」の略称だ。 さらに「DSP」にもタイプ違いが大きく3つある。1つが「メインユニット内蔵タイプ」、2つ目が「パワーアンプ内蔵DSP」、3つ目が「単体DSP」だ。で、1つ目の「メインユニット内蔵タイプ」は、その名のとおりメインユニットに内蔵されているもののことを指し、3つ目の「単体DSP」とは「DSP」の機能だけを搭載したユニットのことを指す。対して「パワーアンプ内蔵DSP」とは、「DSP」と「パワーアンプ」とが一体化したもののことを言う。その答は以下のとおりだ。「DSP」内部ではさまざまな機能により音楽信号が制御されるのだが、そのときの音楽信号は微弱な状態である必要がある。増幅した後では細かな制御をし難いからだ。で、信号が微弱な状態のままではスピーカーを駆動できない。なのでその後段に信号の増幅を行う「パワーアンプ」がなんらか必要となる。なので「パワーアンプ内蔵DSP」では、それらをあらかじめ一体化している。そうしておけば、導入のハードルが下がるからだ。
ところで近年、「パワーアンプ内蔵DSP」の需要は高まる一方だ。その理由をひと言でいうと、「メインユニットを交換しにくい車種が増えてきたから」だ。ちなみに「メインユニット」を交換できるケースが多かった時代には、カーオーディオシステムのバージョンアップは「メインユニット交換」から行われることが多かった。 そうしてメインユニットを高音質タイプのモデルへと交換すると、ソースユニットとしての性能が上がり、さらには高度なサウンドチューニング機能も獲得できる。その上でスピーカーを交換したりサブウーファーを導入したりしてシステムアップが成されていった。