視覚障害者の体力向上や社会参加につなげようとブラインドマラソンの普及・発展に奮闘する人たちがいる。視覚障害者のランニング機会拡大や、伴走者の養成に取り組む「日本ブラインドマラソン協会」(東京都文京区)だ。原田清生事務局長(64)は「視覚障害のある人たちが、いつでも走れる環境をつくりたい」と力を込める。
「あと1メートルで左カーブです」。7月中旬、都内の体育館には、視覚障害ランナーに声を掛けながら走る伴走者の姿があった。この日開かれていたのは、協会が主催する「伴走者養成研修会」。男女14人が参加し、講義と実技を通して伴走への理解を深めた。
講義では、伴走時の注意点などを紹介する動画を全員で視聴した。講師を務めた原田さんは「伴走で一番大事なのは安全の確保」とした上で「一緒に走る視覚障害ランナーの見え方を知り、どんな支援が必要か理解することが大切」と呼び掛けた。実技では、実際に視覚障害ランナーと走ることに。序盤こそ「声を掛けるタイミングが難しい」と戸惑っていた参加者たちだったが、講師らのアドバイスを受け、次第に具体的な指示を出せるようになっていった。例えば、協会では毎月第1日曜日に代々木公園(渋谷区)で伴走練習会を開催している。ただ、参加しても走りたい距離やペースに合う視覚障害ランナーがいなければ、伴走できない場合もある。「何度足を運んでも一緒に走れる視覚障害ランナーがいなければ、興味を持ち続けてもらうのは難しい」と原田さんは残念がる。
視覚障害者が走るとき、伴走者の存在は欠かせない。解決策を模索する日々が続くが、「視覚障害ランナーが『走りたい』と思ったときにいつでも走れる環境」(原田さん)をつくるため、今後も活動を続けていくつもりだ。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
【パラ】「ギロチンはありません」開会式で組織委会長豪語 ピアノ演出にはSNS批判もパリ・パラリンピックが28日(日本時間29日未明)、開幕し、コンコルド広場で開会式が行われた。インターネット上では「パリパラリンピック」「パラリンピック」など… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。
続きを読む »
共生社会実現へ試金石 なるか「素晴らしい革命」―パリ大会意義〔パラリンピック〕フランス革命の舞台となったコンコルド広場での開会式で、強いメッセージが打ち出された。パリで初開催のパラリンピックに、共生社会実現に向けた国内の意識が高まることを期待する声は大きい。大会組織委員会のエスタンゲ会長は「素晴らしい革命が始まる」と宣言した。
続きを読む »
思い描いた泳ぎで金 鈴木、16年前の自分超え―パラ水泳〔パラリンピック〕16年前の自分を超えて頂点に立った。男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害SB3)で金メダルの鈴木は、2008年北京大会で出した自己ベストも塗り替え「16年間いろんなことをやってきて、ようやく報われた。すごく幸せ」。普段は冷静な37歳が、レース後は両腕を突き上げ、全身で喜びを表した。
続きを読む »
「有言実行の人」 2種目でメダル目指す―陸上・佐藤選手〔パラリンピック〕陸上400メートルと1500メートル(車いすT52)でパラリンピック東京大会2冠に輝いた佐藤友祈選手(34)=モリサワ。パリ大会では1500メートルが公式種目から外れ、連覇を目指した400メートルでは惜しくも銀メダル。次の100メートルで、再び金を目指す。
続きを読む »
【パラリンピック】フランス革命の舞台で開幕 旗手の石山大輝と西田杏が日本選手団を先導第17回夏季パラリンピック・パリ大会が、フランス革命の舞台となった市中心部のコンコルド広場で開会式が行われ、開幕した。五輪を3度開催しているパリが、1960年… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。
続きを読む »
不老長寿テックスタートアップTAZ Inc.が、安全性の高い食品成分による老化細胞除去効果を実証し『Senolytic food(老化細胞を除去する食品)』の概念を国際会議ARDDで研究発表不老長寿テックの研究開発を展開するTAZ Inc.(代表取締役社長:高橋 祥子、本社:東京都文京区、以下 TAZ)は、安全性の高い食品成分による老化細胞除去効果を実証し、2024年8月26日よりデンマ...
続きを読む »