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何十年も働いてきたベテランにとって「リスキリング」は綺麗事 10年先の仕事が見えない時代のキャリア考

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何十年も働いてきたベテランにとって「リスキリング」は綺麗事 10年先の仕事が見えない時代のキャリア考
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キャリアの岐路である「転職」において、合理的に意思決定をしようとすると「裏目に出ることが多い」。 キャリアを専門とする慶應義塾大学大学院・特任教授の高橋俊介氏が、合理的な意思決定が逆効果となる理由や、おすすめの意思決定の仕方を紹介しています。

:例えば達成動機の強い人が営業になったら、「我が営業所で歴代誰も落とせなかった、あの会社の社長を俺が落としてやる」みたいに、自分の中で高い目標を作っちゃえばいいわけですよ。常にエベレストを征服するイメージで営業をやることが、その人にとっては向いた仕事になります。だけど、その人が上司になった時に、部下にそれを押し付けてはいけません。部下の目標はぜんぜん違うかもしれないわけですから。 それからパワー動機というのがあります。これも大企業の変革などを成功させた人によく見られる動機です。要するに、説得してイエスと言わせるドライブがすごく強い人。こういう人は「最後に自分から買わせたい」という気持ちが自然に現れて、クロージングに強い営業になります。 闘争心の強い人もいますね。例えばスポーツでもボクシングのような対戦型だと燃えるとかね。相手に勝ちたいという気持ちが強い人が営業になったら、「同期のあいつには絶対負けない」とか、「コンペであの会社を絶対負かしてやる」とか、常に仮想敵国を意識すると自分らしい営業ができます。それから感謝欲の強い人もいます。人から感謝されるのが大好き。こういう人は、人に「ありがとう」と言われたいから、見た目がだいたい親切そうなんですよ。そういう人はお客さんにかわいがられる営業になる。 これだけでも5つくらいあるわけです。自分の強い内的動機を使って、仕事を自分のスタイルに引き込むことができれば、それが向いている仕事になります。仕事自体が向いているとかではなく、得意能力を使って仕事をしているかどうかが、向き不向きなんですね。自分のスタイルで何ができるかを試していくと、意外な仕事が自分に向いていることに気づくこともたくさんありますよ。:「仕事に意味を込める」、そして「内的動機を使う」。その上で、特にVUCAの時代では、仕事の「リフレーミング」が大事になります。例えばインタビューの仕事であれば、与えられたシナリオを順番に聞き出すのが私の仕事と定義するのと、シナリオと関係なく、キャッチボールをしながらその人の持っているおもしろいネタを引き出すのが自分の仕事だと思うのとでは、フレームが違うわけですね。 そういった仕事のフレームを変えることをリフレーミングと言います。リフレーミングのためには、新しいスキルの取得や勉強が必要になりますが、そういった新しい学びをふだんから継続して行うことで、結果として「その人らしいキャリア」になる。基本はそれなんです。 仕事も学びも受け身ではなく、主体的に行うことがまず必要です。仕事の主体性が学びの主体性につながる。その連鎖の中で次の景色が見えてくるというのが、キャリア自律のコアパートになります。仕事自体がどんどん変化していくVUCAの時代は、それが特に大事になります。 ーーこれからのキャリア形成においては、「主体性」が重要になるということですが、主体的なキャリア形成には転職なども含まれると思います。転職のようなキャリアの岐路で、納得のいく意思決定をするためには日頃から何を意識すればいいのでしょうか。:意思決定は重要です。例えば会社で、「君、こういう話があるけどやってみたい?」と言われた時に、「ぜひやらせてください!」と言うのか、「いや勘弁してください」と言うのか。あるいは、今はいろんな会社に社内公募の制度もありますから、どこかに手を挙げるのか挙げないのかとか。 最近は転勤も一方的ではなく、「こういうチャンスがあるんだけど、転勤が必要になる。君はどう?」と聞かれることもあるでしょう。そのように意思決定の場面は必ずあります。その時にどうしたらいいか。基本的に、意思決定というものは合理的には決められません。:1999年に心理学者でスタンフォード大学教授のジョン・クランボルツ教授が、「キャリアは思ったとおりにはデザインできない」という論文をアメリカのカウンセリング学会誌に発表しました。「計画的偶発性理論」と言いますが、日本に比べて自分の意思で転職が可能なアメリカで500人の面接調査をした結果、個人のキャリアの過半数は「偶然のできごとに左右されている」というものです。 いい偶然に恵まれて、より満足度の高いキャリアになる人と、いい偶然に恵まれない人がいる。クランボルツ理論では、その違いはふだんの行いの違いだと指摘しています。自分にとっていい偶然が起こる確率が上がるような行いをふだんからしている人としていない人がいると。 そして、していない人の典型が「すべてを合理的に意思決定できると思っている人」なんです。例えば、自分が次にやりたいことのために便宜を図ってもらおうと、人事権を持つ人には親切にするけど、そうではない人のことは「関係ないからほっとけ」と考える人とか。短期的な損得でものを考えている人は、中長期的には損をする人が多いんですね。ふだんの行いが大切だと。 では、合理的に意思決定をすると何が起きるか。将来の自分のキャリアのために上を目指すとして、こっちの道はとりあえず上がっていくけど、こっちの道は横に行くと。じゃあ登っていく道のほうがいいんじゃないのと言ったって、その先で下っているかもしれない。そして、実際に下ってしまったりするんですよ。 例えば100の要素がある中で、そのうちのせいぜい30ぐらいしか見えていないわけです。その30もいいほうと悪いほうが均等に見えていたらまだいいんですけど、だいたいどっちかの道はいいほうばかりが見えて悪いほうは見えない。逆にこっちは悪い面だけが見える。意思決定の時は非常に偏った情報だけが見えるんですよ。そういう状態で、合理的に意思決定をしようとすると、裏目に出ることが多いということですね。:では、合理的ではなく、どう意思決定すればいいのか。2001年にそのクランボルツ教授と同じスタンフォード大学のハリィ・ジェラット博士を日本に呼んでシンポジウムをやりましたが、そのジェラット博士は「直感」と言っています。さらに、「人間は直感的能力を鍛えられる」と。ところが、会社や業種にもよりますけど、ビジネスの世界で論理脳ばかりを使っていると直感脳が弱ってくるんです。そうすると、いざという時に直感脳が働かず、論理に走ってどつぼにはまってしまうと。 昔、大前研一さんが『右脳革命』という本を書いていますが、大前さんいわくじゃないですけど、若い頃は直感力を鍛えるようなことを自然とやっています。その典型が妄想で、例えば今日が初めての彼女とのデートで、もうすぐ彼女と会うと。まずは映画かな。あの映画だったら、どんな雰囲気になるかな。その後どこにお茶しに行って、彼女はどんな反応をするかなとか。例えばどこかの会社に面接に行って、なんとなく雰囲気を見ますよね。もちろん面接で具体的な話も聞くけれども、それ以外の面接官の話の感じとか、社内の人たちや職場の雰囲気を見る。違う会社の面接でも同様に見る。 そして、どちらに転職しようかと考える時に感情予測機能を使うんです。その会社で日々働いている自分の将来を妄想するわけです。その時に、自分の感情がどうなっているか。暗そうとか、生き生きとしていそうとか。そういう習慣を持つことが直感力の向上につながり、意思決定を必要とする場面で役立つと思います。.

:例えば達成動機の強い人が営業になったら、「我が営業所で歴代誰も落とせなかった、あの会社の社長を俺が落としてやる」みたいに、自分の中で高い目標を作っちゃえばいいわけですよ。常にエベレストを征服するイメージで営業をやることが、その人にとっては向いた仕事になります。だけど、その人が上司になった時に、部下にそれを押し付けてはいけません。部下の目標はぜんぜん違うかもしれないわけですから。 それからパワー動機というのがあります。これも大企業の変革などを成功させた人によく見られる動機です。要するに、説得してイエスと言わせるドライブがすごく強い人。こういう人は「最後に自分から買わせたい」という気持ちが自然に現れて、クロージングに強い営業になります。 闘争心の強い人もいますね。例えばスポーツでもボクシングのような対戦型だと燃えるとかね。相手に勝ちたいという気持ちが強い人が営業になったら、「同期のあいつには絶対負けない」とか、「コンペであの会社を絶対負かしてやる」とか、常に仮想敵国を意識すると自分らしい営業ができます。それから感謝欲の強い人もいます。人から感謝されるのが大好き。こういう人は、人に「ありがとう」と言われたいから、見た目がだいたい親切そうなんですよ。そういう人はお客さんにかわいがられる営業になる。 これだけでも5つくらいあるわけです。自分の強い内的動機を使って、仕事を自分のスタイルに引き込むことができれば、それが向いている仕事になります。仕事自体が向いているとかではなく、得意能力を使って仕事をしているかどうかが、向き不向きなんですね。自分のスタイルで何ができるかを試していくと、意外な仕事が自分に向いていることに気づくこともたくさんありますよ。:「仕事に意味を込める」、そして「内的動機を使う」。その上で、特にVUCAの時代では、仕事の「リフレーミング」が大事になります。例えばインタビューの仕事であれば、与えられたシナリオを順番に聞き出すのが私の仕事と定義するのと、シナリオと関係なく、キャッチボールをしながらその人の持っているおもしろいネタを引き出すのが自分の仕事だと思うのとでは、フレームが違うわけですね。 そういった仕事のフレームを変えることをリフレーミングと言います。リフレーミングのためには、新しいスキルの取得や勉強が必要になりますが、そういった新しい学びをふだんから継続して行うことで、結果として「その人らしいキャリア」になる。基本はそれなんです。 仕事も学びも受け身ではなく、主体的に行うことがまず必要です。仕事の主体性が学びの主体性につながる。その連鎖の中で次の景色が見えてくるというのが、キャリア自律のコアパートになります。仕事自体がどんどん変化していくVUCAの時代は、それが特に大事になります。 ーーこれからのキャリア形成においては、「主体性」が重要になるということですが、主体的なキャリア形成には転職なども含まれると思います。転職のようなキャリアの岐路で、納得のいく意思決定をするためには日頃から何を意識すればいいのでしょうか。:意思決定は重要です。例えば会社で、「君、こういう話があるけどやってみたい?」と言われた時に、「ぜひやらせてください!」と言うのか、「いや勘弁してください」と言うのか。あるいは、今はいろんな会社に社内公募の制度もありますから、どこかに手を挙げるのか挙げないのかとか。 最近は転勤も一方的ではなく、「こういうチャンスがあるんだけど、転勤が必要になる。君はどう?」と聞かれることもあるでしょう。そのように意思決定の場面は必ずあります。その時にどうしたらいいか。基本的に、意思決定というものは合理的には決められません。:1999年に心理学者でスタンフォード大学教授のジョン・クランボルツ教授が、「キャリアは思ったとおりにはデザインできない」という論文をアメリカのカウンセリング学会誌に発表しました。「計画的偶発性理論」と言いますが、日本に比べて自分の意思で転職が可能なアメリカで500人の面接調査をした結果、個人のキャリアの過半数は「偶然のできごとに左右されている」というものです。 いい偶然に恵まれて、より満足度の高いキャリアになる人と、いい偶然に恵まれない人がいる。クランボルツ理論では、その違いはふだんの行いの違いだと指摘しています。自分にとっていい偶然が起こる確率が上がるような行いをふだんからしている人としていない人がいると。 そして、していない人の典型が「すべてを合理的に意思決定できると思っている人」なんです。例えば、自分が次にやりたいことのために便宜を図ってもらおうと、人事権を持つ人には親切にするけど、そうではない人のことは「関係ないからほっとけ」と考える人とか。短期的な損得でものを考えている人は、中長期的には損をする人が多いんですね。ふだんの行いが大切だと。 では、合理的に意思決定をすると何が起きるか。将来の自分のキャリアのために上を目指すとして、こっちの道はとりあえず上がっていくけど、こっちの道は横に行くと。じゃあ登っていく道のほうがいいんじゃないのと言ったって、その先で下っているかもしれない。そして、実際に下ってしまったりするんですよ。 例えば100の要素がある中で、そのうちのせいぜい30ぐらいしか見えていないわけです。その30もいいほうと悪いほうが均等に見えていたらまだいいんですけど、だいたいどっちかの道はいいほうばかりが見えて悪いほうは見えない。逆にこっちは悪い面だけが見える。意思決定の時は非常に偏った情報だけが見えるんですよ。そういう状態で、合理的に意思決定をしようとすると、裏目に出ることが多いということですね。:では、合理的ではなく、どう意思決定すればいいのか。2001年にそのクランボルツ教授と同じスタンフォード大学のハリィ・ジェラット博士を日本に呼んでシンポジウムをやりましたが、そのジェラット博士は「直感」と言っています。さらに、「人間は直感的能力を鍛えられる」と。ところが、会社や業種にもよりますけど、ビジネスの世界で論理脳ばかりを使っていると直感脳が弱ってくるんです。そうすると、いざという時に直感脳が働かず、論理に走ってどつぼにはまってしまうと。 昔、大前研一さんが『右脳革命』という本を書いていますが、大前さんいわくじゃないですけど、若い頃は直感力を鍛えるようなことを自然とやっています。その典型が妄想で、例えば今日が初めての彼女とのデートで、もうすぐ彼女と会うと。まずは映画かな。あの映画だったら、どんな雰囲気になるかな。その後どこにお茶しに行って、彼女はどんな反応をするかなとか。例えばどこかの会社に面接に行って、なんとなく雰囲気を見ますよね。もちろん面接で具体的な話も聞くけれども、それ以外の面接官の話の感じとか、社内の人たちや職場の雰囲気を見る。違う会社の面接でも同様に見る。 そして、どちらに転職しようかと考える時に感情予測機能を使うんです。その会社で日々働いている自分の将来を妄想するわけです。その時に、自分の感情がどうなっているか。暗そうとか、生き生きとしていそうとか。そういう習慣を持つことが直感力の向上につながり、意思決定を必要とする場面で役立つと思います。

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