Googleは、企業向けにエージェントの構築・運用を支援する新たなツール群を発表しました。これらのツールは、セッション管理、メモリ機能、セキュリティ強化、エージェント連携、監視・分析機能を備え、Gemini Enterpriseとの連携により、より高度な自動化と効率化を実現します。
Google は、企業向けに エージェント の構築・運用を支援する新たなツール群を発表しました。 これらのツールは、 エージェント がより高度なタスクを実行し、長期的な業務フローを支えるための基盤となります。
特に注目すべきは、「セッション」機能と「メモリ」機能です。
「セッション」機能は、ユーザーとの会話状態を継続的に保持し、より自然で一貫性のある対話を可能にします。 一方、「メモリ」機能は、ユーザーの過去の行動や好みを記憶させ、パーソナライズされたサービス提供を可能にします。 これらの機能により、単発的な応答に留まらず、ユーザーとの関係性を深め、より価値の高いサービスを提供できるようになります。 これらのツール群の中核となるのは、「Agent Identity」、「Agent Gateway」、「Agent Registry」の3つの機能です。
「Agent Identity」は、デプロイ時に自動発行される固有の認証情報によって、IAMポリシーをエージェント単位で適用することを可能にします。 これにより、セキュリティを強化し、エージェントの不正利用を防ぐことができます。
「Agent Gateway」は、すべてのエージェントの通信を中継するプロキシとして機能し、インバウンド・アウトバウンドのポリシーを一元管理します。 これにより、ネットワークのセキュリティを確保し、エージェント間の通信を制御することができます。
「Agent Registry」は、稼働中のエージェントを登録・管理するディレクトリであり、エージェント同士がA2A(Agent-to-Agent)プロトコルを通じてお互いを発見、連携できる仕組みを提供します。 これにより、複数のエージェントが協調して複雑なタスクを実行することが可能になります。 さらに、本番環境で動くエージェントの挙動を監視・分析する機能群も提供されており、エージェントのツール呼び出しや推論フローをトレースとして記録し、エラーの根本原因の特定や性能の最適化を支援します。
また、エージェントの動作に基づく評価(eval)機能も統合されており、エージェントの品質向上に貢献します。 これらの機能はすべて、「共有コンテキスト」として束ねられ、Gemini Enterprise、Workspace、サードパーティのマーケットプレイス・エージェントにまたがって利用できます。 これにより、企業内のあらゆるエージェントが同じ文脈を参照しながら協調し、より高度なタスクを実行することが可能になります。 実際に、Googleはデモとして、エージェントだけでマラソンイベントを設計するシナリオを提示しました。
このデモでは、「プランナー」(ルートを計画するエージェント)、「エバリュエーター」(ルートを採点するエージェント)、「シミュレーター」(ランナーが走ったらどうなるかを再現するエージェント)の3つのエージェントが連携し、段階的にマラソンのプランを作り上げていく様子が示されました。 プランナーエージェントは、Google Maps、GIS(地理情報システム)、レースディレクターの3つの「スキル」を与えられ、ラスベガスの大通り(Strip)で42.195kmのコースを生成しました。
スキルは、YAMLのメタデータとMarkdown本文で構成され、エージェントが必要なタイミングでロードする仕組みであり、推論のターン数とトークン消費を軽減できます。 また、プランナーエージェントはメモリ機能も利用しており、Agent Runtimeの「Memory Bank」にシミュレーション結果を蓄積し、過去の計画を記憶として参照しています。 さらに、ラスベガス市やネバダ州の条例文書をAlloyDBに取り込み、RAGの仕組みで「公道でラクダを引いてはいけない」といったローカルルールも反映しています。
デモでは、メモリとデータの参照によってルートが改善されていく様子が示され、これらのツール群の可能性を強く印象づけました
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