情報システム部門が組織内で存在感を高め、貢献するためには、事業を深く理解し、技術力を継続的に向上させることが不可欠である。メンバーのモチベーション管理やタスクの委譲方法、評価基準の透明化も重要。サイバーセキュリティ対策においては、自社の事業特性に合わせた対策が求められる。
引田氏もこれに同意し、相手の土俵に入るためのアプローチを紹介した。 具体的には、「事業部門の声の大きい人をプロジェクトに兼務で巻き込んでしまう」方法や、「情シスから営業やマーケティング部門の定例会議にオブザーバー参加させてもらう」方法だ。
「単純に『IT部門の人』として見られるのではなく、向こうと同じ土俵でやっているんだ、と思ってもらうことが最初の一歩になる」と引田氏は語った。 引田氏は、「自分一人でやった方が早いときもあるが、組織の世代交代や全体のアウトプットを大きくすることを考えると任せることが大事だ」と指摘する。 タスクを振る際は、「最初の道筋だけを伝え、様子を見ながら危ないところは手助けをして『一緒にやっている感』を出す」ことがポイントだという。
また、メンバーのモチベーション管理という観点でも、引田氏は「やりたいことをやれている人は勝手に学んでいくが、そうでない人にいきいきと働いてもらうのは永遠の課題」としつつ、「給料が上がって嬉しくない人は少ない。 だからこそ、『こうやったら評価(給料)が上がる、こうやったら下がる』という明確な物差しをちゃんと渡してあげることもマネジメントとして重要だ」と、評価基準の透明化の大切さを語った。 岡村氏は、一般的な基礎知識を身につけることは前提としつつも、「サイバーセキュリティで守るべきものは組織や事業によって全く違う。
自社の事業において何を守らなければいけないのか、何がクリティカルなのかを把握しに行くことが最も重要だ」と語った。 講演を通じて浮き彫りになったのは、情シスがいきいきと働くためには「事業を深く理解すること」と「技術の研さんを続けること」の2つが必要不可欠であるということだ。 岡村氏が「音楽家が楽器の練習をするように、技術の研鑽を続けなければならない」と語ったように、技術力は前提となる。 しかしそれ以上に、事業部門や経営層と密にコミュニケーションを取り、同じ目線でビジネスを語れる存在になることが、情シスの価値を高めるカギとなる。
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