各省庁の情報活動の統合と政策判断への反映、情報資源の一元管理、対外活動の法整備、国家主体による秘密作戦やスパイ活動への対応、重要技術流出防止などの経済スパイ対策、外国勢力による影響工作の実態把握、政府と国会の情報ギャップ解消、国家情報戦略の策定と国民への周知、情報コミュニティーの活動発信による国民理解の獲得、情報収集におけるプライバシー侵害の懸念、情報収集対象の明確化などが課題として挙がる。
各省庁が所掌に基づいて実施する情報活動では横断的な統合機能が欠如し、大局的な政策判断に十分反映されにくい。 今後は情報資源の一元管理や、政策決定者への直接的な分析・報告体制の確立が図られる。
まずは全ての情報手段を活用した総合分析の体制整備が急務だ。 国内はスパイ対策、海外では邦人保護支援といった対外活動の包括的な法整備が必要だ。 現代は国家主体による秘密作戦やスパイ活動、戦略的情報操作が頻発しており、こうしたグレーゾーンにも適応可能な枠組み整備も求められる。 重要技術の流出防止など、経済スパイ対策も不可欠だ。
外国勢力による影響工作の実態把握では、米国の「外国代理人登録法」のような制度が望ましい。 こうした諸施策に実効性を持たせるには専門情報機関の設置が不可欠だ。 政府と国会の「情報ギャップ(格差)」も課題だ。 国会による行政監視の一環で、一定の議員らに機密情報を閲覧できる権限を付与すれば透明性確保につながり得る。
特定秘密を監督する内閣府の独立公文書管理監や衆参両院の情報監視審査会を拡充・強化し、情報コミュニティーによる活動全般を対象とすることも選択肢だ。
「国家情報戦略」を策定して具体的な方針を示すことで、国家意思の明確化だけでなく国民への周知と透明性向上に大きく寄与する。 情報コミュニティーによる成果を積極的に発信することで、国民からの理解、協力が得られるようになる。 国民から信頼される情報活動こそが国際社会での日本の国力向上につながる。 情報の集約化をさらに進めることになるので情報を使う側(政府)からすれば国家情報会議は欲しいだろう。
だが、情報収集に絡みプライバシー侵害は問題になることが多い。 懸念の方が大きい。 政府は組織をつくるだけで、権利を制約するものではないと説明している。 しかし、組織や任務を定める規定が、実際には情報収集などの作用の根拠として用いられてきている。
「権利制限を直接定めていないから問題ない」とは言えない。 国民の表現活動や社会的活動が、国家安全保障や外国からの影響工作への対処と関連付けられるなら、情報収集されてしまう可能性がある。 その恐れによって萎縮が生じないか。 そうなると下手に行動できず、考えを示すこともできなくなる。
対象を明確にすべきだ。 (法律が調査対象と定める)安全保障やテロリズムといった「重要情報活動」には何でも入りそうで、かなり広い。 現代はほぼ全ての産業が軍事と関わる。 私たちの生活のかなり広い部分が潜在的には国家安全保障で語られる。 どこまでが情報収集の対象となるのか予見できない。
国家情報戦略 情報統合 スパイ対策 情報コミュニティー プライバシー侵害
