能登のボタニカルを贅沢に使用した『のとジン氣』が、国内蒸留の国産ジンとして初の国際金賞を受賞。ウェールズでの誕生から国内生産、そして能登半島地震という困難を経て、富山県黒部市での自社蒸留所設立という新たな挑戦へと歩みを進める。
能登の豊かな自然と精神性をボトルに凝縮した クラフトジン 『 のとジン氣 』が、新たなステージへと進化を遂げました。 本製品の歩みは2021年に遡ります。 当初はイギリスのウェールズにて製造され、日本へ輸入販売されていた『のとジン NOTO GIN』から始まりました。
その後、2024年からは日本国内での蒸留へと切り替え、『のとジン NOTO JIN』として展開。 そして2025年、その正統な継承者として、ラベルデザインをより親しみやすく、かつ洗練された形に刷新し、スタンダードボトルである『のとジン氣』として誕生しました。 特筆すべきは、その核となるボタニカルレシピを完全に引き継いでいる点です。 ベーススピリッツには、一貫してお米由来のライススピリッツを使用しており、日本人の口に合うまろやかさと、お米ならではの深いコクを実現しています。
使用されているボタニカルは、厳選された計8種類に及びます。 ジンの骨格を成すジュニパーベリーをはじめ、コリアンダーシード、カルダモンシード、メドウスイートといった世界的なスタンダード素材に加え、能登の風土を象徴する地元の素材がふんだんに盛り込まれています。 具体的には、珠洲市産の爽やかなゆずの皮とかやの実、そして能登町産の香り高い黒文字の枝と月桂樹の葉が使用されており、これらが複雑に絡み合うことで、唯一無二の芳醇な香りを生み出しています。
この爽やかな香りと飲みやすい口当たりは、ジンに馴染みのない初心者や女性の愛飲家から絶大な支持を得ており、その優しさは『能登はやさしや ジンまでも』と称されるほどです。 また、ベースにライススピリッツを採用したことで、単に優しいだけでなく、カクテルにした際にも個性が埋もれない力強い味わいに仕上がっています。 まさに『風に香る爽快感』というキャッチコピーを体現した逸品と言えるでしょう。 この『のとジン氣』の品質を支えているのが、千葉県野田市に拠点を構えるTL Pearce蒸留所です。
ここでは、ベルギーで蒸留技術を研鑽し、2022年から日本での活動を開始した卓越した蒸留家、マイケル・ピアス氏が指揮を執っています。 ピアス氏の高度な技術により、原材料のポテンシャルが最大限に引き出されており、その品質は国内外で高く評価されています。 これまでウェールズ産としての『のとジン』は数多くの国際的な品評会で金賞を受賞してきましたが、今回の『のとジン氣』として、国内蒸留の国産クラフトジンという立場で初めて国際品評会の金賞を獲得したことは、極めて大きな意味を持ちます。
これは、ブランドのアイデンティティを維持しながら、ベーススピリッツの品質向上や製造プロセスの改善を地道に積み重ねてきた努力が、世界的に認められた結果であると言えます。 継続的な改善こそが最高の品質を生むという信念が、形となって現れた瞬間でした。 また、『のとジン氣』は単なる飲料としての枠を超え、能登および富山の食文化とも深く共鳴しています。 その爽やかな香りは和食、特に新鮮な魚料理との相性が抜群で、お刺身や焼き魚に合わせることで食材の旨味を一層引き立てます。
実際に、奥能登の輪島市門前にある『ゲストハウス黒島』のバーや、能登町波並のイタリアンレストラン『Re Noto CREW』、七尾市中島町の炭火ダイニング『Ike』など、地域の美食を追求する店舗で地元の食材と共に提供され、観光客を中心に高い人気を博しています。 さらに、富山県黒部市の老舗旅館『生地温泉たなかや』や、魚津市のオーセンティックバー『BAR Power GRAN』など、富山県内でも認知が広がっており、ビジネスマンから地域住民まで幅広い層に愛飲されています。
しかし、この歩みは決して平坦な道ではありませんでした。2024年に能登半島を襲った激しい地震と豪雨災害は、地域に甚大な被害をもたらし、運営主体であるNTGも珠洲市を離れるという苦渋の決断を迫られました。 しかし、この困難を乗り越え、2025年には富山湾の対岸に位置する富山県黒部市へと移住し、新たな再出発を切りました。 現在は黒部市において、環境に配慮した持続可能な自社蒸留所の設立に向けた準備に全力で取り組んでいます。
これまでの委託製造から自社製造へと移行し、将来的には他社の受託製造までも見据えた、地域産業の核となる蒸留所運営を目指しています。 震災という悲劇を、未来への創造的なエネルギーへと転換させようとする強い意志が、ここにはあります。 さらに、NTGの展開は国産ジンに留まりません。 ウェールズの『In the Welsh Wind』蒸留所から独自に輸入販売しているプレミアムライン『パロ・コルタード・カスク・エイジド・ジン』も、世界的に高い評価を得ています。
このジンは、スペイン・アンダルシア地方原産のシェリー酒パロ・コルタード樽で熟成させた限定生産品であり、『WORLD GIN AWARDS 2026』の熟成ジン部門で金賞およびウェールズ国内最優秀賞を受賞するという快挙を成し遂げました。 ジュニパーベリーに加え、オレンジの皮やグレイティー、カシスなど計12種類のボタニカルを贅沢に使用して蒸留されており、樽熟成による深いコクと複雑なアロマが融合した至高の一本となっています。
この蒸留所自体も、創業者のアレックス氏とエレン氏による情熱的な挑戦から始まり、現在は高品質なウイスキー製造でも注目を集めるなど、ウェールズのスピリッツシーンを牽引する存在となっています。 このように、『のとジン氣』および関連製品は、日本とウェールズという二つの国の精神と技術が融合し、さらに能登の自然への敬意と、災害から立ち上がる不屈の精神が込められた物語そのものです。 世界的に権威のある『ワールド・ドリンクス・アワード』などの評価を糧にしつつ、これからも品質の追求を止めず、地域の文化を世界へ発信する役割を担い続けます。
能登の優しさと強さをボトルに詰め込み、一杯のジンを通じて人々に癒やしと活力を届けること。 それが、新天地である富山県黒部市から始まる、彼らの次なる挑戦の目的なのです
