プロ野球が開幕し、長嶋茂雄さんの功績を称える「長嶋茂雄賞」が新設。王貞治球団会長が新時代のミスター出現に期待を寄せ、選考基準の柔軟性を示唆。阪神・佐藤輝や日本ハム・清宮幸の活躍にも注目。
魂を受け継ぐシーズンがいよいよ幕を開ける。 プロ野球 は27日に開幕を迎え、セ・パ両リーグで合計6試合が行われる。今シーズンから新たに設けられるのが「 長嶋茂雄 賞」だ。昨年6月に惜しくもこの世を去った「ミスター プロ野球 」こと 長嶋茂雄 さんの輝かしい功績を称える「野手の最高栄誉賞」は、一体誰の手に渡るのだろうか。巨人で「ONコンビ」として一時代を築き、選考委員も務めるソフトバンクの 王貞治 球団会長(85)は、新時代の「ミスター」の出現に大きな期待を寄せている。「選手としては、このような賞が創設されることは、大きな励みになると思います。ましてや、ミスターの冠を戴く賞の第1回目となれば、なおさらでしょう。みんながこの賞を目指して、精一杯プレーしてほしいですね」
球界のみならず、国民的英雄として愛された長嶋さんの名を冠したこの賞。そのハードルは決して低くないだろう。しかし、「ミスタープロ野球」の功績を未来へと繋いでいくという、新たな賞の意義を鑑み、柔軟な姿勢で選考に臨むという。「第1回で該当者なしというのは、やはり寂しいものですからね。2回、3回と回を重ねるうちに、選考基準も変化していくかもしれません。第1回は盛大に、そして華々しく開催したいと思っています」と王会長は笑顔で語った。 近年、プロ野球界では投高打低の傾向が顕著になっている。昨シーズン、両リーグで30本塁打を超えた選手は、本塁打王を獲得した阪神の佐藤輝明選手(40本)と、日本ハムのアリスティデス・レイエス選手(32本)の2名のみだった。打率3割を記録した選手も、首位打者となった広島の小園海斗選手(打率.309)と、ソフトバンクの牧原大成選手(打率.304)を含めたわずか3名に留まった。しかし、王球団会長は「ミスターに求められるのは、長打力だけではありません。確実性や、チャンスに強い勝負強さも重要です。さらに、足の速さ、守備力も評価の対象となります。様々なタイプの選手が、選考の対象となり得るでしょう」と、タイトル獲得のみならず、多角的な視点から選手を評価する意向を示した。 数々の伝説を打ち立て、プロ野球を国民的スポーツへと押し上げた長嶋さんのようなスターを、満場一致で選出することが理想的である。だが、「そのような圧倒的な存在感を持つ選手が現れてほしいと願っていますが、現状では、メジャーリーグの大谷翔平選手のような選手が現れにくい状況です。しかし、この賞ができたことによって、そのような選手が生まれる可能性も大いにあります。ぜひ、そのような選手が登場してほしいですね」と、期待を込めた言葉を口にした。 ファンを魅了し、プロ野球をさらに盛り上げる新たなスターの出現は、球界全体の発展へと繋がる。「今年、この賞を目指して選手たちが切磋琢磨し、素晴らしい活躍を見せてくれれば、野球界全体も大いに盛り上がることでしょう」と王会長は語る。長嶋さんの魂を永遠に未来へと繋げる、新時代の「ミスタープロ野球」を巡る熱い戦いが、いよいよ始まろうとしている。(木下 大一) ▽長嶋茂雄賞について 巨人で華々しい活躍を見せた長嶋茂雄さんの功績を称え、25年11月に制定され、26年から本格的に実施される表彰制度である。対象となる選手は、「その年の公式戦およびポストシーズンの公式試合において、走攻守のあらゆる面で目覚ましい活躍を示し、なおかつ、グラウンド上でのプレーを通じてファンを魅了するなど、我が国のプロフェッショナル野球の文化的公共財としての価値向上に貢献した野手」と定義されている。日本シリーズ終了後に選考委員会が開かれ、受賞者が決定される。受賞者には記念品(メダル)と、賞金300万円が授与される。 勝負強さを測る指標の一つとして、勝利打点というものがある。昨シーズン、セ・リーグでは、優勝に大きく貢献した阪神の佐藤輝明選手と、森下翔太選手が、両リーグ最多タイとなる20を記録した。佐藤輝明選手は本塁打王と打点王の二冠も達成しており、有力な受賞候補の一人として注目される。パ・リーグでは、最多安打まであと1本に迫る143安打を記録し、リーグ2位となった日本ハムの清宮幸太郎選手も、興味深い存在である。得点圏打率.330もリーグ3位と高く、昨年の12本から本塁打数を増加させ、印象的な活躍を見せることができれば、受賞争いに加わる可能性も十分にある。対象となるのはレギュラーシーズンとポストシーズンであり、何よりもチームを勝利に導く、決定的な活躍が求められる
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