ユナイテッドアローズで元従業員による情報の不正持ち出しが発覚した。こうした内部不正リスクに企業はどう向き合うべきか。事例を基に、法的な論点について佐藤みのり弁護士に聞いた。
不正競争防止法21条では、不正により利益を得る目的で、またはその営業秘密保有者に損害を加える目的で、営業秘密保有者の管理を害する行為により「営業秘密」を取得するなどの行為を禁じており、罰則として「10年以下の拘禁刑もしくは2000万円以下の罰金またはこれを併科」と定めています。持ち出された情報の管理状況は明らかではありませんが、会社は「情報の外部持ち出しを防止する措置が十分とは言えなかった」と認めており、結果として秘密管理性が否定され「営業秘密」に当たらない可能性があります。 なお、過去の判例には、情報の持ち出しが元勤務先の業務遂行の目的によるものではなく、転職先など第三者のために退職後に利用することを目的としたものであると考えられる事案で「不正の利益を得る目的」を認めたケースがあります。 窃盗罪や横領罪が成立するためには「財物」を盗む必要があります。情報漏えいのケースでは、情報の書かれている紙や、データが入っているUSBなどを盗んだ場合、書類や記録媒体が「財物」であるため犯罪が成立します。今回のケースのように電子データのみを盗んだ場合、窃盗罪や横領罪に問うことはできないと考えられます。 個人情報保護法179条では、個人情報取扱事業者もしくはその従業者、またはこれらであった者が、その業務に関して取り扱った個人情報データベースなどを、自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で提供、または盗用したときは「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」に処すると規定しています。これは「個人情報データベース等不正提供罪」に当たります。 持ち出された情報が不正競争防止法上の「営業秘密」や「財物」に当たらない場合でも、個人情報データベース等不正提供罪は成立します。「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、個人情報を検索できるよう体系化されたものです。本件では、約1万件の個人情報が持ち出されており、これらの情報が体系化されたものであれば、この罪に問われる可能性があります。.
不正競争防止法21条では、不正により利益を得る目的で、またはその営業秘密保有者に損害を加える目的で、営業秘密保有者の管理を害する行為により「営業秘密」を取得するなどの行為を禁じており、罰則として「10年以下の拘禁刑もしくは2000万円以下の罰金またはこれを併科」と定めています。持ち出された情報の管理状況は明らかではありませんが、会社は「情報の外部持ち出しを防止する措置が十分とは言えなかった」と認めており、結果として秘密管理性が否定され「営業秘密」に当たらない可能性があります。 なお、過去の判例には、情報の持ち出しが元勤務先の業務遂行の目的によるものではなく、転職先など第三者のために退職後に利用することを目的としたものであると考えられる事案で「不正の利益を得る目的」を認めたケースがあります。 窃盗罪や横領罪が成立するためには「財物」を盗む必要があります。情報漏えいのケースでは、情報の書かれている紙や、データが入っているUSBなどを盗んだ場合、書類や記録媒体が「財物」であるため犯罪が成立します。今回のケースのように電子データのみを盗んだ場合、窃盗罪や横領罪に問うことはできないと考えられます。 個人情報保護法179条では、個人情報取扱事業者もしくはその従業者、またはこれらであった者が、その業務に関して取り扱った個人情報データベースなどを、自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で提供、または盗用したときは「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」に処すると規定しています。これは「個人情報データベース等不正提供罪」に当たります。 持ち出された情報が不正競争防止法上の「営業秘密」や「財物」に当たらない場合でも、個人情報データベース等不正提供罪は成立します。「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、個人情報を検索できるよう体系化されたものです。本件では、約1万件の個人情報が持ち出されており、これらの情報が体系化されたものであれば、この罪に問われる可能性があります。
