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第951回:日本が誇る名車を再解釈 「ホンダNSXトリビュートby Italdesign」の開発担当者に聞く 【マッキナ あらモーダ!】

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第951回:日本が誇る名車を再解釈 「ホンダNSXトリビュートby Italdesign」の開発担当者に聞く 【マッキナ あらモーダ!】
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「ホンダNSXトリビュートby Italdesign」の開発者を直撃! 日伊合作の少量生産車に宿る価値とは?

イタルデザイン は1968年に設立され、初期クライアントのひとつはスズキでした。以来、日本とのつながりは60年近くにわたり、この関係をこれからも継続していきたいと考えています。自動車にとどまらず、セイコーやニコンなどとも関係を築いてきました。私たちは日本の技術・エンジニアリングをデザインに融合させようと努めています。しかし同時に、 イタリア のエンジニアリングの適合も試みています。なぜなら、とりわけ手作業でなにかをつくり上げる点において、能力を示せるからです」 続いてポルタ氏は興味深いデータを示してくれた。「私たちの推定によると、価格が100万ユーロ(約1億8500万円)を超える自動車は、世界に約1万台あります。そのうち日本車はわずか133台です。『NISMO R34 GT-R Z-Tune』『レクサスLFA』『日産GT-R50』といったクルマです。これはコレクターズカーのなかでもJDM(筆者注:Japanese Domestic Market.

本来は日本国内用車両を指すが、転じて日本の自動車文化を象徴したモデル)が希少な存在であることを示しています。ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニは山ほどあるのに、日本車はほとんどないのです」 同時に、NSXトリビュートには2025年を基準とした3つのアニバーサリーが込められているとポルタ氏は説明する。「1965年、メキシコグランプリでホンダF1が初優勝してから60周年、1990年のNSX発売から35周年、そして1995年にルマン24時間レースのGT2クラスで優勝してから30周年です」 「私たちにとって、初代NSXは象徴的な存在ゆえ再解釈する意味はありません。あまりにも象徴的で美しく、手を加えるべきではないと判断したのです。私たちのコンセプトはオマージュです。2代目をもとに初代の象徴的な面を強調し、現代的解釈を施すことに挑戦したのです」 GT-R50 by Italdesignでは、デザインは日産、車体の最終製作はイタリアという分業であったのに対し、今回は双方ともイタルデザインによる。再度リリースの言葉を借りれば、クリエイティブ、エンジニアリング、製造までを一貫して提供できる、世界でも数少ない「ワンストップ企業」である同社のポテンシャルをフル活用したかたちだ。 さらにポルタ氏は大阪・梅田スカイビルの空中庭園のスライドを示した。「高層ビルの浮遊する要素は、NSXトリビュートのループ状リアウイングのインスピレーションの源になりました。非常に複雑なエレメントですが、クリーンかつ幾何学的なラインを実現できました」 色調は落ち着いたトーンで、よりニュートラルかつシンプルなものを目指した。「オリジナルの2代目では、北米市場を意識したと思われるクロームパーツが多用されていました。対してNSXトリビュートでは、よりイタリアや日本のテイストに合わせるよう試みました」。パーツについてはイタリア、日本のサプライヤーをどのように使い分けるのか? 「具体的なことは、まだお伝えできません。ただしホイールはアドバン、タイヤは前輪19インチ、後輪20インチのヨコハマ製が決定しています。いっぽう塗装やカーボンファイバー部品の製作は、イタリアで行います」。アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトの『菊と刀』は、鮮やかに日本人と日本社会を描き切った名著として知られる。日本人ではわからない、外からの目で日本車像を探るという点で、イタルデザインの仕事は自動車版・菊と刀といえる。 もう少し自動車によせて話をするなら、世界がアメリカ文化に憧憬(しょうけい)の念を抱いた1950年代後半から1960年代初頭、イタリアのカーデザイナーたちはキャデラック、シボレーといった米国車をもとにさまざまな解釈を試みた。ジョルジェット・ジウジアーロがベルトーネのチーフデザイナー時代に手がけた1963年「シボレー・コルベア テステュード」は、その好例である。 Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。

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