ヨーグルトをはじめとする腸活食品は、これまでは便通改善や善玉菌ケアといった“腸内を整える価値”で語られることが多かった。一方で近年は、腸を起点に全身のコンディションを見直す考え方が広がり、その関心はお腹の脂肪やカラダ作りにも及び始めている。そんな変化を象徴する商品のひとつが、森永乳業の『ビヒダス ヨーグルト...
「腸活という言葉自体が、長らく使われてきた言葉です。 近年はその役割自体が拡張し、全身のコンディションを底上げするものになっています。
“インナーケア”や“インナービューティー”といった言葉も浸透してきていて、腸から体全体を整えるという考え方が求められていると感じます」背景にあるのは、各社の研究の進展だけではなく、生活者側の意識の変化。 忙しい日々の中で、できるだけ手間をかけず、ひとつの習慣で複数の健康課題をケアしたい。 そんな発想が、腸活に求められる役割そのものを広げているようだ。
「特に30~40代の女性は、家事・育児・仕事に追われて時間がない中でも、日常的に無理なく続けられるケアを求めている。 機能性をひとつずつ個別に摂るというより、“どうせ食べるなら一度に複数の効果を得たい”という志向は強まっていると感じます」そうした生活者ニーズの変化を背景に開発されたのが、『ビヒダス ヨーグルト Wのビフィズス菌』だ。 大容量ヨーグルトは幅広い世代から支持されている一方、高齢層の比率が高く、若年~中年層をどう取り込むかが課題になっていた。
なかでも主なターゲット層である30~40代は、加齢による体の変化を感じやすく、「ダイエット」や「カラダ作り」への関心も高まりやすい世代でもある。
「ヨーグルトにもダイエットや体づくりを期待する声が増えていたため、今回の新商品開発にいたりました。 もともとヨーグルトには“なんとなく体に良さそう”という健康イメージがあり、そのイメージと生活者が抱えるカラダ作りやお腹まわりへの悩みが結びついた形です」 実際、生活者の感覚の中では、「お腹の調子」と「お腹まわり」はまったく別のテーマではない。 お腹の調子は体調のバロメーターになりやすく、お腹まわりは体の変化を意識しやすい部分でもある。
そう考えると、整腸と脂肪へのアプローチがひとつの商品で語られるのは、そこまで不自然なことではないのかもしれない。 本商品では、ビフィズス菌BB536による「腸内環境を整える」機能に加え、「ビフィズス菌BB536」と「ビフィズス菌MCC1274」を組み合わせることで、「BMIが高めな人のおなかの脂肪を減らす」という2つの機能を両立している。 背景には、“腸と太りやすさ”の関係に着目した考え方がある。 今回の2種類のビフィズス菌には、この腸管バリア機能をサポートし、脂肪の蓄積を抑制する働きが期待されている。
腸を整えることが、単にお腹の調子だけでなく、体づくりにもつながっていく。 そうした発想が、同商品の核にあるという。 もっとも、開発は簡単ではなかった。 ビフィズス菌は酸や酸素に弱く、1種類でも長く生存させるのが難しいとされる中、今回は2種類を同時に生かし続ける必要があったため、容器ヘッドスペースの酸素濃度を低減する新製法の活用や機能性表示取得のための臨床試験など、開発期間は約5年と長期にわたるものとなった。
いまのヨーグルト市場で問われているのは、「機能を増やせばそれでいい」という単純な話ではない。 現在の市場では、機能性だけでなく、おいしさや気分の良さ、多幸感といった価値も同時に求められている。 だからこそ、機能性ヨーグルトは、「高機能であること」と「日常的においしく食べられること」を両立しなければならない。 これは、機能性ヨーグルトならではの難しさといえる。
機能があること自体は魅力になる一方で、打ち出し方によっては“いかにも悩み向け”に見えてしまう。 特に脂肪やカラダ作りといったテーマは関心が高い反面、人にあまり知られたくないセンシティブな悩みでもある。 つまり、現在の機能性ヨーグルト市場の難しさは、“効きそう”と“気軽に買える”が両立しにくいことにある。 そのため、単に機能を増やすのではなく、どうすれば日常の延長で自然に手に取ってもらえるか、そのバランスがこれまで以上に重要になっている。
今回、大容量のプレーンヨーグルトとしては17年ぶりの新商品を発売した同社の「ビヒダス」ブランドは、2028年に50周年を迎える。




