「美容と健康によい」とされるココナツでフィリピンの貧困を解決しようと奮闘する会社が大阪にある。ココナツオイルの輸入販売からスタートした「ココウェル」(大阪市浪…
「美容と健康によい」とされるココナツでフィリピンの貧困を解決しようと奮闘する会社が大阪にある。ココナツオイルの輸入販売からスタートした「ココウェル」(大阪市浪速区)社長の水井裕さん(49)は、ココナツの価値を信じ、創業から20年あまりでココナツ専業のビジネスモデルを構築した。ココナツ産地のフィリピンで雇用を創出し、売り上げの一部で農家の子供の大学進学を支援している。 水井さんは学生時代、環境問題に目覚め、実態を見るためにフィリピンに留学した。首都マニラで「スモーキーマウンテン」と呼ばれるゴミの山からゴミを素手で拾い、お金に換えて家計を支える子供たちを目の当たりにして衝撃を受けた。果肉からつくるオイルは欧米に輸出されるが、農家は貧しい。中間業者に安く買いたたかれていることが背景にあると知り、「なんとかしたい」とココナツを公正な価格で買い取り、食品や化粧品などの製品を日本で販売することで貧困から救うことを決意した。 最初は化粧用オイルから始めた。現地からオイルを輸入、国内の工場に製品の包装を依頼した。「古い長屋の一室を借り、フリーマーケットで販売した。利益が出ず、夜はアルバイトをして稼いだことも。倒産の危機も何度かあった」ブームはまもなく終息するが、ココウェルはしぶとく生き残り、その後も活用法の研究と商品開発に取り組んだ。 ココナツの果肉をしぼるとミルクとオイルを作ることができる。食用としてのオイルは、体に蓄積されにくいMCT(中鎖脂肪酸)を豊富に含み体に良いとされる。花蜜からとれるシュガーはミネラルを多く含み、最近人気が高まっている。本社オフィス1階でアンテナショップも開業。商品を展示販売し、ココナツアイスなどスイーツを味見できるイートインスペースも設けた。奥に工房があり、専門スタッフがオイル、ミルク、シュガーなどを使った菓子や料理のレシピをつくり、インターネットで発信している。これらのココナツひと筋20年で得られたノウハウをフィリピンの農家や協力工場に伝え、品質の向上、管理に役立てている。「価値を知ってもらえれば売れる。市場拡大はまだまだ見込める」。全国の取引先でセミナーを開催し、自ら講師を務める。まさに「ココナツ伝道師」だ。 フィリピン側への利益還元として商品の売り上げの一部で基金を設立。ココナツ農家を支援し、その農家の子供の大学進学のための奨学金を支給している。「農家で1人大卒が出れば、家族全体が貧困から抜け出せる可能性が生まれる」 フィリピンの子供たちにココナツ関連の職業の可能性を体験してもらうため、現地生産者が花蜜からシュガーを作る工程を見せるワークショップも開催している。日本でも、NPO法人と連携して不登校などで生きづらさに苦しんでいる子供たちをフィリピンに招待するツアーを行っている。.
「美容と健康によい」とされるココナツでフィリピンの貧困を解決しようと奮闘する会社が大阪にある。ココナツオイルの輸入販売からスタートした「ココウェル」(大阪市浪速区)社長の水井裕さん(49)は、ココナツの価値を信じ、創業から20年あまりでココナツ専業のビジネスモデルを構築した。ココナツ産地のフィリピンで雇用を創出し、売り上げの一部で農家の子供の大学進学を支援している。 水井さんは学生時代、環境問題に目覚め、実態を見るためにフィリピンに留学した。首都マニラで「スモーキーマウンテン」と呼ばれるゴミの山からゴミを素手で拾い、お金に換えて家計を支える子供たちを目の当たりにして衝撃を受けた。果肉からつくるオイルは欧米に輸出されるが、農家は貧しい。中間業者に安く買いたたかれていることが背景にあると知り、「なんとかしたい」とココナツを公正な価格で買い取り、食品や化粧品などの製品を日本で販売することで貧困から救うことを決意した。 最初は化粧用オイルから始めた。現地からオイルを輸入、国内の工場に製品の包装を依頼した。「古い長屋の一室を借り、フリーマーケットで販売した。利益が出ず、夜はアルバイトをして稼いだことも。倒産の危機も何度かあった」ブームはまもなく終息するが、ココウェルはしぶとく生き残り、その後も活用法の研究と商品開発に取り組んだ。 ココナツの果肉をしぼるとミルクとオイルを作ることができる。食用としてのオイルは、体に蓄積されにくいMCT(中鎖脂肪酸)を豊富に含み体に良いとされる。花蜜からとれるシュガーはミネラルを多く含み、最近人気が高まっている。本社オフィス1階でアンテナショップも開業。商品を展示販売し、ココナツアイスなどスイーツを味見できるイートインスペースも設けた。奥に工房があり、専門スタッフがオイル、ミルク、シュガーなどを使った菓子や料理のレシピをつくり、インターネットで発信している。これらのココナツひと筋20年で得られたノウハウをフィリピンの農家や協力工場に伝え、品質の向上、管理に役立てている。「価値を知ってもらえれば売れる。市場拡大はまだまだ見込める」。全国の取引先でセミナーを開催し、自ら講師を務める。まさに「ココナツ伝道師」だ。 フィリピン側への利益還元として商品の売り上げの一部で基金を設立。ココナツ農家を支援し、その農家の子供の大学進学のための奨学金を支給している。「農家で1人大卒が出れば、家族全体が貧困から抜け出せる可能性が生まれる」 フィリピンの子供たちにココナツ関連の職業の可能性を体験してもらうため、現地生産者が花蜜からシュガーを作る工程を見せるワークショップも開催している。日本でも、NPO法人と連携して不登校などで生きづらさに苦しんでいる子供たちをフィリピンに招待するツアーを行っている。
産経 サンケイ 新聞 ニュース 速報 政治 経済 社会 国際 スポーツ エンタメ




