Beyond the Breaking News

AIエージェントの業務プロセスも監視すべき Celonisが「エージェントマイニング」を提案

アスキー News

AIエージェントの業務プロセスも監視すべき Celonisが「エージェントマイニング」を提案
ASCIIASCII.Jp角川アスキー総合研究所

プロセスマイニングベンダーのCelonis(セロニス)が「エージェントマイニング」という新たなコンセプトを提案した。複数のAIエージェントが連携して動く環境において、各エージェントの挙動を可視化することで、設計者が意図したとおりに動作しているかを確認するもの。業務プロセスの不整合を特定し、改善を促す役割を担う。

Celonis(セロニス)は、2026年4月1日、同社2027会計年度(2026年2月~2027年1月期)の事業方針を説明した。そのなかで同社は、「エージェントマイニング」という新たなコンセプトを提案した。 これは、複数のAIエージェントが連携して動く環境において、各エージェントの挙動を可視化することで、設計者が意図したとおりに動作しているかを確認するものだ。業務プロセスの不整合を特定し、改善を促す役割を担う。エージェントマイニングが効果を発揮した一例として、「エージェント間の“隠れた無限ループ”」を解消した、欧州の損害保険会社の事例が紹介された。 この保険会社では、顧客からの事故受付をAIエージェントで自動化している。この受付エージェントは、必要書類がそろっていることを形式的に確認して、次の査定エージェントにタスク処理を引き継ぐ仕組みとなっている。 次の査定エージェントでは、申請内容をチェックして保険金支払額の見積を行う。ただしここで、見積額が5000ユーロを超える場合には、別の明細資料の提出も必要とするルールがある。この明細がなければ処理が進められないため、査定エージェントはタスクを差し戻すが、受付エージェントは形式的なチェックしか行わないため、タスクを再び査定エージェントに回してしまう――。このようにして、タスク処理が無限ループに陥るケースが発生した。上述の例において、2つのAIエージェントは、それぞれのルールに従って正しく動作している。ただし、そのルールに“食い違い”があったために、互いにボールを投げ合う状況になってしまった。これが、AIエージェントにおける「隠れた無限ループ」だ。 同社はこの問題をエージェントマイニングによって解決した。処理プロセスに潜在していたルールの不整合を発見し、受付エージェントに「5000ユーロ以上の場合は明細資料を必須とする」というルールを追加した。さらに、エージェント間でタスクの往復が3回を超えた場合は、自動的に人間にエスカレーションする設定にして、無限ループからの脱出を可能にした。 別の事例として、AIエージェントを導入したコールセンターの課題を解決したケースも紹介された。このコールセンターではAIによる自動応答化を進めていたが、AIによる解決率が低く、人間のオペレーターにエスカレーションされる割合が高かったため、十分な成果が得られていなかった。 そこでCelonisのエージェントマイニングを活用し、「本来はAI単独で解決できたはずのエスカレーション」を抽出するとともに、その原因を特定。修正を行って有人対応の工数を削減するとともに、顧客の課題解決までにかかる時間も短縮した。このコールセンターではほかにも、AIが同じ質問を繰り返すループを特定し、会話シナリオを最適化することで、顧客満足度の低下を抑制。離脱の原因となる挙動を可視化し、モデルの回答精度を向上させることで、顧客接点の品質を維持しているという。 Celonis日本法人 社長の村瀬将思氏は、「人が対応する際に生じるプロセスの課題は、AIエージェントに置き換わっても同様に発生する。複数のエージェントをモニタリングし、ループや例外処理を可視化/改善することで、エージェントが顧客満足度を下げてしまう事態を防ぐことができる」と語る。Celonisはこれまで、人間の業務プロセスを可視化する「プロセスマイニング」や、PC操作などの作業を可視化する「タスクマイニング」を展開してきた。AIエージェント時代の到来にあわせて、ここに「エージェントマイニング」が加わることになる。 同社では、エージェントマイニングをエンタープライズAI戦略の一環と位置づけており、主にIT部門などへの提案を進める方針だ。Celonis日本法人のリソース的な制約もあり、現状ではハイタッチ戦略が中心となるが、AIエージェントは現場主導で導入されるケースも多く、エージェントマイニングも現場主導で活用できるGTM戦略も求められそうだ。ガートナーは、2027年末までにエージェント型AIプロジェクトの40%以上が頓挫すると予測する。また、ボストンコンサルティンググループも、コンテキストや境界線を持たない自律型エージェントが、大規模な業務エラーを引き起こす危険性に警鐘を鳴らしている。 「AI投資は増えているが、多くがPoC(概念実証)のまま終わってしまったり、情報検索や文書要約といったタスク単位の効率化にとどまったりしている。企業のP/LやB/S(経営指標)を大きく改善するほどの価値を生めていない企業が多いのが実態だ」加えて村瀬氏は、企業の経営層がAIエージェントの導入に期待する「3~5倍の生産性向上」が実現できていない背景には「コンテキストの欠如」があると指摘する。「RoAIを最大化するには、コンテキストが重要だ」。 Celonisの調査レポート「2026年プロセス最適化レポート」によると、AIエージェント導入の“2大障壁”として、「社内の専門知識不足」(47%)と「ビジネスコンテキストのAI側の理解不足」(45%)が挙がっている。 「高度な知能を持つAIでも、自社の複雑な業務プロセスを把握していなければ、実業務で最適な判断やアクションはできない。AIを単なる補助ツールから“継続的に価値を創出するエンジン”へと進化させるには、現実の業務構造を正確に解釈、実行させる『エンタープライズAI』が不可欠だ」あるアプリケーションを利用している際に「ネットワーク通信が遅い」という課題が発生する。一般的なITSM(ITサービス管理)ツールでは、「ネットワークのトラブル=ネットワーク環境に問題がある」と考え、ネットワークチームに調査依頼のチケットを発行する。しかし、そのアプリケーションにまつわる過去のチケットプロセスを参照すると、最終的には85%のチケットがアプリケーションチームに転送されている事実がある。このプロセスコンテキストを理解することで、直接アプリケーションチームに調査依頼を出すことができ、タイムロスのない適切な対応が可能になる。なおCelonisでは、2027年度の日本における事業方針として、(1)エンタープライズAIやITモダナイゼーションなどによる「Business Critical領域へのシフト」、(2)テクノロジーパートナーとの協業による「Platform Play」、(3)顧客やパートナー企業との「コミュニティのさらなる活性化」、(4)エンタープライズAIを実現するための「Aハッカソンとアイデアソンの推進」という4点を挙げている。.

Celonis(セロニス)は、2026年4月1日、同社2027会計年度(2026年2月~2027年1月期)の事業方針を説明した。そのなかで同社は、「エージェントマイニング」という新たなコンセプトを提案した。 これは、複数のAIエージェントが連携して動く環境において、各エージェントの挙動を可視化することで、設計者が意図したとおりに動作しているかを確認するものだ。業務プロセスの不整合を特定し、改善を促す役割を担う。エージェントマイニングが効果を発揮した一例として、「エージェント間の“隠れた無限ループ”」を解消した、欧州の損害保険会社の事例が紹介された。 この保険会社では、顧客からの事故受付をAIエージェントで自動化している。この受付エージェントは、必要書類がそろっていることを形式的に確認して、次の査定エージェントにタスク処理を引き継ぐ仕組みとなっている。 次の査定エージェントでは、申請内容をチェックして保険金支払額の見積を行う。ただしここで、見積額が5000ユーロを超える場合には、別の明細資料の提出も必要とするルールがある。この明細がなければ処理が進められないため、査定エージェントはタスクを差し戻すが、受付エージェントは形式的なチェックしか行わないため、タスクを再び査定エージェントに回してしまう――。このようにして、タスク処理が無限ループに陥るケースが発生した。上述の例において、2つのAIエージェントは、それぞれのルールに従って正しく動作している。ただし、そのルールに“食い違い”があったために、互いにボールを投げ合う状況になってしまった。これが、AIエージェントにおける「隠れた無限ループ」だ。 同社はこの問題をエージェントマイニングによって解決した。処理プロセスに潜在していたルールの不整合を発見し、受付エージェントに「5000ユーロ以上の場合は明細資料を必須とする」というルールを追加した。さらに、エージェント間でタスクの往復が3回を超えた場合は、自動的に人間にエスカレーションする設定にして、無限ループからの脱出を可能にした。 別の事例として、AIエージェントを導入したコールセンターの課題を解決したケースも紹介された。このコールセンターではAIによる自動応答化を進めていたが、AIによる解決率が低く、人間のオペレーターにエスカレーションされる割合が高かったため、十分な成果が得られていなかった。 そこでCelonisのエージェントマイニングを活用し、「本来はAI単独で解決できたはずのエスカレーション」を抽出するとともに、その原因を特定。修正を行って有人対応の工数を削減するとともに、顧客の課題解決までにかかる時間も短縮した。このコールセンターではほかにも、AIが同じ質問を繰り返すループを特定し、会話シナリオを最適化することで、顧客満足度の低下を抑制。離脱の原因となる挙動を可視化し、モデルの回答精度を向上させることで、顧客接点の品質を維持しているという。 Celonis日本法人 社長の村瀬将思氏は、「人が対応する際に生じるプロセスの課題は、AIエージェントに置き換わっても同様に発生する。複数のエージェントをモニタリングし、ループや例外処理を可視化/改善することで、エージェントが顧客満足度を下げてしまう事態を防ぐことができる」と語る。Celonisはこれまで、人間の業務プロセスを可視化する「プロセスマイニング」や、PC操作などの作業を可視化する「タスクマイニング」を展開してきた。AIエージェント時代の到来にあわせて、ここに「エージェントマイニング」が加わることになる。 同社では、エージェントマイニングをエンタープライズAI戦略の一環と位置づけており、主にIT部門などへの提案を進める方針だ。Celonis日本法人のリソース的な制約もあり、現状ではハイタッチ戦略が中心となるが、AIエージェントは現場主導で導入されるケースも多く、エージェントマイニングも現場主導で活用できるGTM戦略も求められそうだ。ガートナーは、2027年末までにエージェント型AIプロジェクトの40%以上が頓挫すると予測する。また、ボストンコンサルティンググループも、コンテキストや境界線を持たない自律型エージェントが、大規模な業務エラーを引き起こす危険性に警鐘を鳴らしている。 「AI投資は増えているが、多くがPoC(概念実証)のまま終わってしまったり、情報検索や文書要約といったタスク単位の効率化にとどまったりしている。企業のP/LやB/S(経営指標)を大きく改善するほどの価値を生めていない企業が多いのが実態だ」加えて村瀬氏は、企業の経営層がAIエージェントの導入に期待する「3~5倍の生産性向上」が実現できていない背景には「コンテキストの欠如」があると指摘する。「RoAIを最大化するには、コンテキストが重要だ」。 Celonisの調査レポート「2026年プロセス最適化レポート」によると、AIエージェント導入の“2大障壁”として、「社内の専門知識不足」(47%)と「ビジネスコンテキストのAI側の理解不足」(45%)が挙がっている。 「高度な知能を持つAIでも、自社の複雑な業務プロセスを把握していなければ、実業務で最適な判断やアクションはできない。AIを単なる補助ツールから“継続的に価値を創出するエンジン”へと進化させるには、現実の業務構造を正確に解釈、実行させる『エンタープライズAI』が不可欠だ」あるアプリケーションを利用している際に「ネットワーク通信が遅い」という課題が発生する。一般的なITSM(ITサービス管理)ツールでは、「ネットワークのトラブル=ネットワーク環境に問題がある」と考え、ネットワークチームに調査依頼のチケットを発行する。しかし、そのアプリケーションにまつわる過去のチケットプロセスを参照すると、最終的には85%のチケットがアプリケーションチームに転送されている事実がある。このプロセスコンテキストを理解することで、直接アプリケーションチームに調査依頼を出すことができ、タイムロスのない適切な対応が可能になる。なおCelonisでは、2027年度の日本における事業方針として、(1)エンタープライズAIやITモダナイゼーションなどによる「Business Critical領域へのシフト」、(2)テクノロジーパートナーとの協業による「Platform Play」、(3)顧客やパートナー企業との「コミュニティのさらなる活性化」、(4)エンタープライズAIを実現するための「Aハッカソンとアイデアソンの推進」という4点を挙げている。

We have summarized this news so that you can read it quickly. If you are interested in the news, you can read the full text here. Read more:

asciijpeditors /  🏆 98. in JP

ASCII ASCII.Jp 角川アスキー総合研究所

 

United States Latest News, United States Headlines

Similar News:You can also read news stories similar to this one that we have collected from other news sources.

AI活用進む保険業界、実験終え実装段階に 販売のあり方も再定義へAI活用進む保険業界、実験終え実装段階に 販売のあり方も再定義へインシュアテック(保険テック)業界で、人工知能(AI)の活用が本格化する。2026年は、AIで事業を強力に進める企業に投資が集まりそうだ。大規模言語モデル(LLM)によるAIエージェントを用いて保険販売を再構築する動きも広がり始めている。保険業界の人工知能(AI)競争は実験段階から実装段階に移りつつある。採用データによると、英アビバ、スイスのチャブ、米メットライフなど保険大手の一部はAI機能の
Read more »

【早期割あり】Meta、Uber、Notionなどが登壇!「AI DevEx Conference 2026 - Future of Development Productivity -」申込を開始【早期割あり】Meta、Uber、Notionなどが登壇!「AI DevEx Conference 2026 - Future of Development Productivity -」申込を開始【早期割あり】Meta、Uber、Notionなどが登壇!「AI DevEx Conference 2026 - Future of Development Productivity -」申込を開始 ファインディ株式会社のプレスリリース
Read more »

株式会社リッケイ、立命館大学に産学共創拠点「Rikkei AI Lab」を開設株式会社リッケイ、立命館大学に産学共創拠点「Rikkei AI Lab」を開設株式会社リッケイ、立命館大学に産学共創拠点「Rikkei AI Lab」を開設 株式会社リッケイのプレスリリース
Read more »

話題の「Kling v3 Pro」搭載で映像品質が大幅向上AI動画・画像生成プラットフォーム「genas.ai」が主要エンジンを一斉アップグレード話題の「Kling v3 Pro」搭載で映像品質が大幅向上AI動画・画像生成プラットフォーム「genas.ai」が主要エンジンを一斉アップグレード話題の「Kling v3 Pro」搭載で映像品質が大幅向上AI動画・画像生成プラットフォーム「genas.ai」が主要エンジンを一斉アップグレード 株式会社ニュウジアのプレスリリース
Read more »

PKSHA、FCEと現場主導のAXを加速する「ロボパット AI Agent Studio」を共同開発、提供開始PKSHA、FCEと現場主導のAXを加速する「ロボパット AI Agent Studio」を共同開発、提供開始PKSHA、FCEと現場主導のAXを加速する「ロボパット AI Agent Studio」を共同開発、提供開始 株式会社PKSHA Technologyのプレスリリース
Read more »

iFLYTEK デュアルスクリーンAI翻訳機、2026年4月6日より正式販売開始iFLYTEK デュアルスクリーンAI翻訳機、2026年4月6日より正式販売開始iFLYTEK JAPAN AI SOLUTIONS株式会社は、対面コミュニケーションをより自然にする「iFLYTEK デュアルスクリーンAI翻訳機」を発売。デュアルスクリーン、オフライン翻訳、ノイズキャンセリング機能を搭載し、143言語対応。様々なシーンで言葉の壁を越えたコミュニケーションをサポート。
Read more »



Render Time: 2026-05-24 16:14:35