EUが対ミャンマー制裁 外相理事会、中国のウイグル迫害も協議 ミャンマー国軍のクーデターに関わった11人に制裁を科すことを決める。中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害についても、責任者への制裁導入を協議するとみられている。
【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は22日、外相理事会を開いた。ミャンマー国軍のクーデターに関わった11人に制裁を科すことを決める。中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害についても、責任者への制裁導入を協議するとみられている。
EUのボレル外交安全保障上級代表は理事会を前に、ミャンマーについて「状況は悪化している。クーデターに関与し、デモを弾圧した責任者に制裁を科す」と述べた。ミャンマーをめぐっては、バイデン米政権が2月、国軍幹部や関連企業への制裁発動を発表しており、軍政回帰を阻止するため、米欧が足並みをそろえることになった。 制裁には、EUが昨年12月に導入した「グローバル人権制裁制度」を適用する。米国のマグニツキー法をモデルとした制度で、組織的で深刻な人権侵害の責任者に対し、渡航禁止、資産凍結などの措置をとる。同理事会の決定を前に、フランス電力は、ミャンマーでの水力発電ダム開発計画を中断すると表明した。 新疆ウイグル自治区の人権侵害をめぐる制裁については、17日、EU加盟27カ国による大使級会合で承認された。欧州メディアは、制裁は中国当局者4人と1団体が対象になる見通しだと報じた。EU欧州議会は昨年12月、ウイグル族に対する中国の人権弾圧を非難し、EUにグローバル人権制裁制度の適用を促す決議を採択していた。中国側の警戒は強く、外務省報道官は18日、EUが制裁を発動した場合、「断固とした対応をとる」と述べて報復を示唆した。ウイグル族への強制不妊、強制労働などの疑惑は「でっちあげの嘘」だと主張した。あなたへのおすすめ