2回戦の注目は東海大相模・大塚ら2選手/田村藤夫 センバツ 高校野球 田村藤夫
2年ぶりのセンバツは、第3日が雨天順延となった。日刊スポーツ評論家の田村藤夫氏が、ここまでの1回戦6試合で特に目についたプレーを振り返る。今後の2回戦でも注目してほしい2選手をピックアップした。ショートでひときわ目を引いたのが、東海大相模の大塚瑠晏(るあん)内野手(3年)だ。20日東海大甲府戦の1点リードの8回の守備。無死一、二塁で木下が放った遊ゴロへの打球反応が非常に速かった。1歩目のスピードが抜群で、三塁へ向かう二塁走者にタッチを試みるほど前で捕球していた。惜しくもタッチはできず、一塁に送球し、打者走者をアウトにした。
この場面、二塁走者にタッチできていれば併殺となり2死二塁。もしくは二塁で封殺し、併殺までできれば2死三塁。大塚の選択は結果的に、タッチができず一死二、三塁となった。1点差の8回。逆転の走者を二塁に進めた。これらは課題となる。こうした際どい場面での判断力こそ、この大舞台で磨いてほしい。 この試合、大塚が処理した打球はゴロ、フライを含め10度。中にはイレギュラーもあったが、確実に捕球していた。私は捕手をしてきたから、捕手目線で打球処理を反射的に見る習慣がある。イレギュラーした打球は普通ならグラブ操作が間に合わない印象だったが、捕球寸前までしっかりボールを見ているからこその好守備と言えた。 二塁手では、神戸国際大付の山里宝内野手(2年)にセンスを感じる。19日北海戦では一、二塁間への打球を好捕し、打球に飛び込んでいた一塁手の帰塁に合わせ、手首を柔らかく使いながら捕りやすい送球が光った。さらに延長10回にはセンター前の打球をスライディングキャッチしている。打球判断と身のこなしにレベルの高さを感じる。