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阪神・大山悠輔内野手(28)が26日のヤクルト戦の4回に16号2ランを放った。リーグ3位タイの今季15度目の勝利打点で同戦の球団記録を更新するシーズン9連勝に導くとともに、前夜の岡田彰布監督(65)の苦言に奮起した。27日の中日戦が甲子園でのレギュラーシーズン最終戦。虎党の前でもう1本、大きな花火を頼みまっせ〜。
大山は黙ったままではなかった。2試合連続無安打に終わった前夜、岡田監督にやり玉に挙げられたが、すぐに結果を出した。4回1死二塁。左腕・高橋のフルカウントからの内角寄りの直球を、ヤマを張っていたかのように開き気味に踏み込み、左翼席へ叩き込んだ。16号2ランは、今季最速を1キロ上回る打球速度168キロの豪快弾になった。チームが挙げた得点はこの2ランのみ。4番に最も求められる試合を決める一打で、ヤクルト・村上に並ぶリーグ3位の15度目の勝利打点を挙げた。甲子園では特に強く、球場別最多の6度だ。この先に待ち受ける短期決戦では、チーム一の勝負強さと聖地での相性の良さが、虎のよりどころとなるはずだ。 今季全試合で4番を任せる主砲が発奮し、岡田監督は「今日はちょっと昨日よりはマシかなと思ったよ」と練習内容の変化を感じ取っていた。前夜の「練習から全然やろ。最初、ショートゴロ3連発やで」という苦言が大山の耳に届いたかどうかは不明ながら、この日は徹底的に中堅から右方向に打つ姿を見せた。逆方向を意識するあまり、手元に引きつけて打ったファウルが、グラウンド脇でキャッチボールしていた森下を直撃しそうになった。ドラ1ルーキーはよけた拍子に尻もちをついた。
引っ張った打球はわずか3球だけ。そのうちの1本が、約4時間後に描くことになる放物線と同じ左翼席への一発だった。復調のイメージが、試合前に出来上がっていた。今岡打撃コーチも「今日に限らず1年間修正してやっている。ナイスバッティングだった」と称えた。 もちろん、修行僧のごときストイックさを備える大山が満足することはない。2三振を反省した。「自分の中ではまだまだだと思っている」。打線はこの日も4安打で低迷から抜け出せないものの、「優勝は決まったが、気を抜いてやっている選手は一人もいない」とギラついた心をのぞかせた。出塁率・402は依然リーグトップ。出塁もし、走者を還す役割も担う大黒柱の活躍なくして、38年ぶり日本一などあり得ない。(倉世古 洋平)
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