東日本大震災 被災地で「置き去りにされたペット」は自宅で飼い主を待っていた|BIGLOBEニュース
体育館をはじめ公共の施設などの避難先へはまず、ペットを連れて行くのが難しいという現状があります。人命が優先というのは当たり前のことですし、大勢の人がともに生活する場の難しさもあり、ペットへの苦情が出やすいのです。 そのために、せっかく避難したのに「ペットの近くにいたい」と駐車場に停めた車の中などで生活することを選ぶ人々が数多くいました。2004年に起きた新潟県中越地震では、愛犬と一緒に車で寝起きしていた女性がエコノミークラス症候群で死亡したことを、もしかしたらご記憶の方がいるかもしれません。 実際に、後に実施された東日本大震災に伴う自治体へのアンケート調査では、避難所でのペットのトラブルが報告されています。イヌの鳴き声や臭いなどの苦情が最も多かったほか、「避難所でイヌが放し飼いにされ、寝ている避難者の周りを動き回っていた」「ペットによる子どもへの危害が心配」などという声もあったようです。さらに、アレルギー体質の人がいることから、避難所内では人と同じスペースで飼育することが難しい、という報告もありました。そうした問題を踏まえて、2013年になって環境省が発表したのが「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」でした(2018年、熊本地震での経験をふまえて「人とペットの災害対策ガイドライン」に改訂)。これは次のように述べて、ペットと飼い主との同行避難を推奨している点で、画期的なものと言えます。 過去の災害において、ペットが飼い主と離れ離れになってしまう事例が多数発生したが、このような動物を保護することは多大な労力と時間を要するだけでなく、その間にペットが負傷したり衰弱・死亡するおそれもある。また、不妊去勢処置がなされていない場合、繁殖により増加することで、住民の安全や公衆衛生上の環境が悪化することも懸念される。このような事態を防ぐために、災害時の同行避難を推進することは、動物愛護の観点のみならず、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも、必要な措置である。この団体の目的は、「緊急災害時に飼い主と動物が同行避難し、人と動物がともに調和して避難生活を送ることができるようサポートをする」ことです。そのためには、ペットの防災対策や避難生活での心得などを知っておくことが欠かせません。「アナイス」はこうした情報提供をするとともに、各自治体への協力要請と働きかけなどを行っています。東日本大震災を機にペットとの同行避難が着目されるようになり、避難所を運営する各自治体の動きも進んできました。ところが、フタを開けてみたら対応は出来なかったというのが、2019年10月に相次いだ台風災害だったのです。ほか、ネット上には「家族で避難所へ行ってみたものの、ペットNGだった」「同行避難は断られました」などという声があり、やむなくペットを連れて家へ戻った人たちも少なくなかったようです。ただし、制度が整うのを待つのでは遅いのです。ご存じのように、災害はいつやってくるか分かりません。飼い主さんが個々に備え、ふだんの生活でも防災対策をしておくことが大事です。先述した環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」はペットのための防災対策、避難用品や備蓄品確保などをあげており、目を通しておいて損はないと思います。 基本的な心構えのほか、例えば「同行避難する際の準備の例」として、ネコの場合には「キャリーバッグやケージに入れる」と同時に、「キャリーバッグなどの扉が開いて逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい」などと的確なアドバイスが掲載されています。 「人とペットの災害対策ガイドライン」で想定されているのは主にイヌとネコの場合です。ではフェレットやハムスターなど、ほかの小型哺乳類の場合は何が必要でしょうか。また飼っているのが爬虫類なら、必要なものも変わるでしょう。また魚類など、連れ出すことが難しいペットについても、準備と心構えが必要になってきます。私がお勧めするのは、まず災害時の情報をまとめておくことです。避難指示が出た場合に備え、自治体の広報紙やウェブサイトなどで災害時の避難所の所在地や避難ルートを調べておく。さらに同行避難に備えて、「ペットと一緒に避難できるか」「飼育環境はどうなるか」など、問い合わせておきましょう。 またペットを含めた家族全員で「避難訓練」をしておくことも大切です。ケージやキャリーバッグに入れたペットと、マンションの非常階段などを伝って避難場所に行ってみる。所要時間、危険そうな場所、普段の道が通れない場合の迂回路もチェックしておきましょう。 地震は予測できないとしても、台風など事前に警報が出ているときは、当日になったらケージやキャリーバッグを用意しておきます。そのためには普段から、ペットがケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように慣らしておくことも必要です。少しでも危なそうだなと思ったら、早めにケージやキャリーバッグに入れてしまいます。いざ自宅が浸水しはじめたり、窓ガラスが割れたりという事態になってペットをつかまえるのでは、飼い主も命の危険に遭いかねません。 そして今すぐにでもできる対策が「首輪」です。室内飼いのネコの場合、圧倒的につけていないネコが多いのですが、「首輪をつけているネコ」ほど見つかります。理由は簡単で、人々に認識されやすいからです。「できるだけ自然にしてやりたい」「ストレスを与えたくない」という飼い主さんの気持ちはよく分かりますが、万が一の場合を考えるとどちらがよい選択なのか、ぜひ検討して頂きたいのです。 今後もさまざまな災害に見舞われる可能性があるだけに、最大の危機意識を持って備えておくことが欠かせません。もし災害が発生したときは、まず自分の身の安全を第一とし、落ち着いてペットの安全を確保してほしいと思うのです。.
体育館をはじめ公共の施設などの避難先へはまず、ペットを連れて行くのが難しいという現状があります。人命が優先というのは当たり前のことですし、大勢の人がともに生活する場の難しさもあり、ペットへの苦情が出やすいのです。 そのために、せっかく避難したのに「ペットの近くにいたい」と駐車場に停めた車の中などで生活することを選ぶ人々が数多くいました。2004年に起きた新潟県中越地震では、愛犬と一緒に車で寝起きしていた女性がエコノミークラス症候群で死亡したことを、もしかしたらご記憶の方がいるかもしれません。 実際に、後に実施された東日本大震災に伴う自治体へのアンケート調査では、避難所でのペットのトラブルが報告されています。イヌの鳴き声や臭いなどの苦情が最も多かったほか、「避難所でイヌが放し飼いにされ、寝ている避難者の周りを動き回っていた」「ペットによる子どもへの危害が心配」などという声もあったようです。さらに、アレルギー体質の人がいることから、避難所内では人と同じスペースで飼育することが難しい、という報告もありました。そうした問題を踏まえて、2013年になって環境省が発表したのが「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」でした(2018年、熊本地震での経験をふまえて「人とペットの災害対策ガイドライン」に改訂)。これは次のように述べて、ペットと飼い主との同行避難を推奨している点で、画期的なものと言えます。 過去の災害において、ペットが飼い主と離れ離れになってしまう事例が多数発生したが、このような動物を保護することは多大な労力と時間を要するだけでなく、その間にペットが負傷したり衰弱・死亡するおそれもある。また、不妊去勢処置がなされていない場合、繁殖により増加することで、住民の安全や公衆衛生上の環境が悪化することも懸念される。このような事態を防ぐために、災害時の同行避難を推進することは、動物愛護の観点のみならず、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも、必要な措置である。この団体の目的は、「緊急災害時に飼い主と動物が同行避難し、人と動物がともに調和して避難生活を送ることができるようサポートをする」ことです。そのためには、ペットの防災対策や避難生活での心得などを知っておくことが欠かせません。「アナイス」はこうした情報提供をするとともに、各自治体への協力要請と働きかけなどを行っています。東日本大震災を機にペットとの同行避難が着目されるようになり、避難所を運営する各自治体の動きも進んできました。ところが、フタを開けてみたら対応は出来なかったというのが、2019年10月に相次いだ台風災害だったのです。ほか、ネット上には「家族で避難所へ行ってみたものの、ペットNGだった」「同行避難は断られました」などという声があり、やむなくペットを連れて家へ戻った人たちも少なくなかったようです。ただし、制度が整うのを待つのでは遅いのです。ご存じのように、災害はいつやってくるか分かりません。飼い主さんが個々に備え、ふだんの生活でも防災対策をしておくことが大事です。先述した環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」はペットのための防災対策、避難用品や備蓄品確保などをあげており、目を通しておいて損はないと思います。 基本的な心構えのほか、例えば「同行避難する際の準備の例」として、ネコの場合には「キャリーバッグやケージに入れる」と同時に、「キャリーバッグなどの扉が開いて逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい」などと的確なアドバイスが掲載されています。 「人とペットの災害対策ガイドライン」で想定されているのは主にイヌとネコの場合です。ではフェレットやハムスターなど、ほかの小型哺乳類の場合は何が必要でしょうか。また飼っているのが爬虫類なら、必要なものも変わるでしょう。また魚類など、連れ出すことが難しいペットについても、準備と心構えが必要になってきます。私がお勧めするのは、まず災害時の情報をまとめておくことです。避難指示が出た場合に備え、自治体の広報紙やウェブサイトなどで災害時の避難所の所在地や避難ルートを調べておく。さらに同行避難に備えて、「ペットと一緒に避難できるか」「飼育環境はどうなるか」など、問い合わせておきましょう。 またペットを含めた家族全員で「避難訓練」をしておくことも大切です。ケージやキャリーバッグに入れたペットと、マンションの非常階段などを伝って避難場所に行ってみる。所要時間、危険そうな場所、普段の道が通れない場合の迂回路もチェックしておきましょう。 地震は予測できないとしても、台風など事前に警報が出ているときは、当日になったらケージやキャリーバッグを用意しておきます。そのためには普段から、ペットがケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように慣らしておくことも必要です。少しでも危なそうだなと思ったら、早めにケージやキャリーバッグに入れてしまいます。いざ自宅が浸水しはじめたり、窓ガラスが割れたりという事態になってペットをつかまえるのでは、飼い主も命の危険に遭いかねません。 そして今すぐにでもできる対策が「首輪」です。室内飼いのネコの場合、圧倒的につけていないネコが多いのですが、「首輪をつけているネコ」ほど見つかります。理由は簡単で、人々に認識されやすいからです。「できるだけ自然にしてやりたい」「ストレスを与えたくない」という飼い主さんの気持ちはよく分かりますが、万が一の場合を考えるとどちらがよい選択なのか、ぜひ検討して頂きたいのです。 今後もさまざまな災害に見舞われる可能性があるだけに、最大の危機意識を持って備えておくことが欠かせません。もし災害が発生したときは、まず自分の身の安全を第一とし、落ち着いてペットの安全を確保してほしいと思うのです。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
「新型コロナは体調管理ができていない証拠」ストレッチ店の求人広告に批判殺到 運営会社はなりすましと否定「悪質な乗っ取り行為」(2020年3月10日)|BIGLOBEニュースストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」を都内で複数展開している、つながり社が求人サイトに掲載した採用募集に批判が殺到している。つながり社や「Dr.ストレッチ」の運…(2020年3月10日 11時36分48秒)
続きを読む »
原発事故で取り残され……「牛は悲鳴をあげて餓死した」南相馬市の元酪農家が語る“9年間の悔恨”(2020年3月11日)|BIGLOBEニュース1枚の写真がある。荒々しく削られて細り、ささくれた「柱」を撮影したものだ。牛舎で牛をつないでいた柱である。なぜ、そのようになったのか。(全2回の1回目/後編に続…(2020年3月11日 12時0分0秒)
続きを読む »
フマキラー、「キッチン用エタノール」めぐる新型コロナ報道に強い憤りを表明「企業活動を侮辱・妨害する行為」(2020年3月11日)|BIGLOBEニュース殺虫剤などの日用品を製造販売するフマキラーは、新型コロナウイルスへのキッチン用エタノールの効果を「科学的に証明されていない」と報道されたことに対し、強い憤りを表…(2020年3月11日 13時2分1秒)
続きを読む »



