【ワシントン時事】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅共産党政治局員兼外相は27日、ワシントンで会談し、サンフランシスコでの来月の米中首脳会談開催に向け、協力することで一致した。米政府が発表した。会談実現への調整を通じ、関係安定化に道筋を付けることができるかが焦点となりそうだ。...
【ワシントン時事】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅共産党政治局員兼外相は27日、ワシントンで会談し、サンフランシスコでの来月の米中首脳会談開催に向け、協力することで一致した。米政府が発表した。会談実現への調整を通じ、関係安定化に道筋を付けることができるかが焦点となりそうだ。首脳会議が予定されている。米政府高官は米中高官会談後の記者会見で、首脳会談開催のため「われわれは準備を進めている」と述べ、調整を本格化させていると強調。実現すれば、昨年11月のインドネシア・バリ島以来となる。中国外相のワシントン訪問は2018年以来。米大統領が他国の外相との面会に時間を割くという異例の対応で王氏を厚遇し、バイデン政権として対中関係を重視する姿勢を鮮明にした。
米側の説明によると、王氏は26、27両日、ブリンケン国務長官と計7時間以上にわたり会談した。ブリンケン氏は東・南シナ海周辺での中国軍による「危険な行動」への懸念を伝達。台湾に関しては、一方的な現状変更に反対し「台湾海峡の平和と安定の維持」を重視する考えを改めて強調した。 サリバン氏との会談は約3時間に及び、昨年8月のペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発して中国が停止している国防対話の再開についても協議。米側は再開を求めたが、米高官は今後の中国側の対応に期待感を示しつつ「現時点で具体的な話は何もない」と述べるにとどめた。 米中双方は一連の会談で、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を巡っても意見を交わした。中国がイスラエルと敵対するイランとの関係が深いことを念頭に、米側は「建設的なアプローチ」(米高官)を通じて紛争拡大防止に取り組むよう求めた。