米下院議長「子や孫が心痛めている」、自宅襲撃で声明
【ワシントン=坂口幸裕】米民主党のナンシー・ペロシ米下院議長は29日、28日に自宅で夫ポール氏が男に襲撃された事件を受けて声明を発表した。「我々の子どもや孫、私は生命を脅かす攻撃に心を痛め、心に傷を負っている」と記した。重症を負ったポール氏は快方に向かっていると明かした。
バイデン米大統領は29日、襲撃事件について「確かなことはわからないが、議長を狙った犯行のようだ」と明言した。地元の東部デラウェア州で記者団に語った。同日、バイデン氏は11月8日に迫る中間選挙の期日前投票をした。 2020年米大統領選でバイデン氏が勝利したと認めていないトランプ前大統領や支持勢力を念頭に「選挙が盗まれたと主張し続ける人たちを非難しない限り、暴力を非難できない」と話した。「その話を止めなければならない」とも述べた。 11月8日に迫る中間選挙では20年大統領選で不正があったと主張する候補が野党・共和党から立候補している。バイデン氏の発言からはこうした候補者らの言動が過激な支持者による暴力につながっていると印象づけ、与党・民主党に対する支持を訴えかける思惑がにじむ。
襲撃事件は西部カリフォルニア州サンフランシスコにあるペロシ夫妻の自宅で起きた。米CNNなどによると、逮捕されたデービッド・デパピ容疑者（42）は28日午前に押し入った際「ナンシーはどこだ」と叫んでいた。事件当時、ペロシ議長は首都ワシントンに滞在していた。大統領継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職である下院議長を標的にしていたおそれがある。容疑者にハンマーで殴打されたポール氏は頭蓋骨骨折などの重症を負い、手術を受けた。
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