物価上昇「一時的」、FRB理事 雇用鈍化で「忍耐」
【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は11日の講演で、米国の物価上昇率が4、5月に前年の低迷の反動などで高まるとしたうえで、インフレの加速は「一時的」との認識を改めて強調した。市場予測を下回った4月の米雇用統計に関し「実際の結果が将来の予測と異なる可能性を思い出させ、忍耐の価値を強調した」と述べ、粘り強く金融緩和を続ける姿勢を示した。
12日に予定する4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、金融市場ではインフレ懸念から金融緩和の縮小が早まるとの観測が広がっている。ブレイナード理事は「一時的であろうインフレ圧力が長引かないかリスクを注視し、新しいデータを細かくみていく」と話した。 講演のテーマは「経済の再開、回復に伴う忍耐と進歩」。ブレイナード理事は「経済の見通しは明るいがリスクは残っており、我々の目標にはほど遠い」とし、需要と供給の増加が「物価の全体像を複雑にしている」と指摘した。経済の再開や供給制約は一時的とみて「より高いインフレを長期的に生み出すことはないだろう」と述べた。 米雇用情勢については「雇用条件は全体として改善してきている半面、大きな不均衡が残っている」と語った。学校再開の後れなどで子育てを理由に仕事に戻れない人たちが残り、女性の労働参加の回復が鈍っていると述べた。
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