3月24日、中国中部阜陽市の裁判所は、阜陽民生医院が債務不履行のため破産を申請したと発表した。4年前、総工費15億ドル(約2030億円)で建設されたばかりの私立病院だ。
7月6日、中国中部阜陽市の裁判所は3月、阜陽民生医院が債務不履行のため破産を申請したと発表した。 写真は4月、吉林省梅河口市から長春に医療支援のため派遣された医療関係者(2022年 ロイター/China Daily)
看医界は4月に「2020年1月以来、市当局の感染防止と抑制の取り組みに協力するため、同病院は一部の診察や治療業務を停止し、収益は顕著に減少した。診療報酬は基本的にゼロで、経済的な圧迫は非常に大きかった」と指摘した。 中国は世界第2位の経済大国だが、多くの医療指標では他の先進諸国に比べて遅れをとっている。2030年までに平均寿命を現在の76歳から79歳に改善しつつ、がんやその他の慢性疾患の生存率を向上させることを目標に、「健康中国」計画を進めている最中だ。だが実際には、「ゼロコロナ」政策のせいで目標の多くは達成が難しくなるかもしれない。 とはいえ、私立病院の来院者数が急激に減少しているのはデータからも明らかだ。その理由の一端は、新型コロナ感染症が疑われる患者を公立の医療施設に送ることを義務付けている政策にある。ロックダウンの拡大に加え、隔離や入院を強制される懸念から、多くの人々は他の病気の治療を受けるために病院に行くことができなくなるか、行く意欲を失ってしまった。これでは病院としても稼ぎようがない。医学誌「ランセット・リージョナル・ヘルス」が2021年に発表した研究では、20年初の中国における新型コロナウイルスの感染拡大は、あらゆる地域のすべての医療サービスの患者数に「破滅的な副作用」を与えた。同年3月には感染拡大がほぼ抑え込まれていたにもかかわらず、利用者数は6月になっても完全には回復しなかったという。
上海のロックダウン中に起きたこうした事件について、中国はあからさまな報道を検閲しようと努めている。だが市民らはデータ共有サイト「Airtable」を利用してリストをまとめ、治療を受けられない、あるいは治療が遅れたことによって親族が死亡したとされる210例を収集している。医療文書を証拠として投稿する例もある。ロイターではこれらのケースについて独自の裏付けを得ることができなかった。上海市衛生健康委員会でディレクター代理を務めるツァオ・ダンダン氏は4月の記者会見で、「救急サービスに関しては、短期間で非常に多くの需要が積み上がった。人々の実際のニーズとはまだ大きな開きがある」と述べ、病院が依然として市民に必要な医療を提供できていないとの見方を示した。
上海のある公立病院の医師はロイターに対し、4月初めに上海市のロックダウンが始まって以来、病院職員300人が検査に従事し、6月初めのロックダウン解除後も、週末には住民の検査をボランティアで行うことが病院経営陣から期待されている、と語った。
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