【新着】映画『THE FIRST SLAM DUNK』、原作ファンが薦める理由とは
映画『THE FIRST SLAM DUNK』が好調だ。12月3日に公開されると、公開9日間で観客動員が約200万人、興行収入は30億円を突破した。
筆者は原作の『スラムダンク』の大ファン。小学生のころに『スラムダンク』を読んでバスケットボールを始めたという、よくいるバスケ部員の一人だった。原作は何度読み返したか分からない。好きなキャラクターは三井寿。ミッチーの少し陰のある造形が好きだった。とはいえ、世代が少し違い、アニメは見たことがなかった。そのため、今回話題となった声優の交代はそもそも気にならなかった。そのうえで、いち原作ファンとして感想を述べたい。 原作にはなかった設定だが、宮城リョータのキャラクターにとても奥行きが出るストーリーだと思った。なぜガードなのか、なぜドリブラーだったのか、そしてなぜバスケを始めたのか。それは沖縄という土地で育ったバックグラウンドがあったのだ。物語に説得力が増していた。
音楽の使い方もいい。オープニング主題歌はThe Birthdayが担当し、エンディング主題歌は10-FEETの“第ゼロ感”。劇中音楽は、武部聡志と10-FEETのTAKUMA(Vo/Gt)が担当している。映画館ならではの低温がよく響く。バスケットボールをドリブルする「ダムダム」という音が体に響いて心地いい。ハイライトのシーンは音楽とともに繰り広げられる。そのフリが効いているからこそ、クライマックスの無音が際立つ。緊張感が劇場にみなぎり、思わず息を止めた。原作のマンガを読んでいる際にも同じように息を呑んだのを思い出した。マンガの読書体験とシンクロするという、稀有な映画体験になった。
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